日本政府観光局(JNTO)が15日に発表した今年7月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、前年同月比5.6%増の283万2千人となった。韓国、香港は6月の大阪府北部地震や7月の西日本豪雨が影響し、前年同月の実績を下回った。このため全体としては、伸び率が1桁にとどまったが、7月としては過去最高を記録した。他の国・地域は、中国からの訪日旅行者数が1カ月当たりで最高値だったのをはじめとして、おおむね堅調だった。
政府の訪日促進の重点20市場のうち、月間で最高を記録した中国のほか、台湾、タイ、シンガポール、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、スペインの15市場が7月の過去最高を記録した。
韓国は5.6%減の60万8千人。地震の影響で韓国客に人気が高い大阪への旅行需要が抑えられた。香港は、地震や豪雨の影響を受けた地域への旅行需要が減少し、3.3%減の22万6800人だった。JNTOでは、両市場に対しウェブサイトなどを通じて交通機関の運行などに関する正確な情報の発信に努めている。
中国は12.6%増の87万9100人と好調だった。クルーズを含む夏季の家族旅行、数次ビザ(査証)による個人旅行などが増加した。台湾は3.1%増の46万500人。高雄―中部のチャーター便など航空座席供給量の増加、夏季休暇の旅行需要の増加で堅調だった。
欧米豪は、訪日プロモーションによる旅行先としての日本の認知度向上やメディア露出が奏功して堅調。米国が13.4%増の14万6700人、豪州が11.6%増の3万3900人、フランスが14.4%増の3万3300人など。英国は、前年の大型クルーズ船寄港の反動減などで伸び率が鈍化し、0.9%増の2万6500人だった。
東南アジアでは、7月に4連休があったタイが31.2%増の7万4400人、ベトナムは家族旅行の増加や報奨旅行の催行などで35.6%増の3万3500人、フィリピンは航空路線の拡充などで18.5%増の2万9千人などだった。
訪日外国人旅行者数の今年1~7月累計は、前年同期比13.9%増の1873万900人となった。
また、今年7月の出国日本人数(JNTO推計値)は、前年同月比5.2%増の155万8千人だった。前年同月の実績に対して5カ月連続で増加した。出国日本人数の今年1~7月の累計は、前年同期比4.4%増の1034万1500人となった。