5月の企業倒産、初の1000件超え


 帝国データバンクによると、今年5月の全国企業倒産は1016件で、前月比24.4%、前年同月比39.0%それぞれ増加した。帝国データが倒産の集計対象を法的整理のみに変更した05年4月以降で初の1千件超えとなった。小規模企業の倒産が大幅に増えている。ただ、負債総額は前月比41.8%減、前年同月比49.6%減と、それぞれ大幅な減少となった。

 倒産件数は今年最多で前年同月比では8カ月連続の増加。件数は一進一退を繰り返しながら、増加基調を持続している。

 件数の増加は小規模企業の倒産多発が影響している。資本金1千万円未満の倒産は前年同月比67.9%増、個人経営の倒産は同146.8%増と大幅に増えている。

 業種別では、7業種すべてが前年同月比で増加した。増加率では運輸・通信業が70.0%増で最悪。サービス業(67.6%増)と小売業(67.0%増)が続く。件数では小売業(192件)、卸売業(169件)、製造業(157件)の3業種が05年4月以降で最悪となった。建設業(239件)は脱談合の影響などから前年同月比で20件増加した。

 倒産の主因別では、販売不振、売掛金回収難、不良債権の累積など「不況型倒産」が790件で、前年同月比49.6%の増加となった。特に販売不振が735件で同52・2%増と高水準が続いている。倒産全体に占める不況型倒産の割合は77.8%で、前月を4.5ポイント、前年同月を5.6ポイントそれぞれ上回り、今年最高となった。

 負債総額は3443億8700万円で、2カ月ぶりに前年同月比で減少となった。負債10億円以上50億円未満の倒産が49件(前月64件、前年同月36件)、負債100億円以上1千億円未満の倒産が4件(同8件、同6件)にとどまっている。

 
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