日本旅行は12月22日、2017~2020年度の4カ年の中期経営計画「VALUE UP 2020」(バリューアップ2020)を発表した。需要の拡大が見込まれるインバウントを強化するとともに、地方創生事業を法人営業、個人旅行営業、インバウンドに続く第4の柱とするよう取り組みを強化。同社が中核分野とする5分野(インバウンド、教育旅行、MICE、BTM、インターネット販売)の2020年度合計販売高を前中期経営計画始動以前の2012年度からおよそ倍増させる目標を設定した。
「マーケット変化への対応」「事業ごとの価値向上」「人材の活性化」の三つを経営戦略に施策を推進。「収益基盤の強化」「一定水準の利益確保」「社員のモチベーション向上」の各経営目標と、企業ビジョン「交流に関するあらゆる分野のサポートを通じてお客様の求める価値を実現する、活力ある企業グループ」、目指す姿・四つのバリュー「お客様の価値実現」「地域の価値向上」「社員の価値実現」「株主価値の向上」を掲げ、それぞれの実現を目指す。
インバウンドでは、中国、シンガポール、インドネシアなどの在外グループ各社、現地エージェントと連携を強化し、MICEなどの取り扱い拡大を目指す。FITの取り扱い拡大には、OTAなど海外エージェントとのシステム連携を強化する。
地方創生事業では、1月1日付の組織改正で本社に地方創生推進本部(本部長=小谷野悦光専務)を新設。東日本、中部、西日本の各営業本部でも専任体制を敷き、全社的に取り組みを強化する。
地域誘客、活性化に向けて、地域の仕入れ部門でも行政などとの連携を強化。各地の仕入販売センターの名称は「仕入・誘客推進センター」に変更する。
2020年度の数値目標(単体)は、販売高4400億円(2016年度見込み4105億円)、営業収益493億円(同452億円)、営業利益7億円(同5億円)、経常利益11億円(同8億円)。
インバウンド、インターネット販売など中核5分野の販売高合計は2012年度実績(1193億円)からおよそ2倍、2016年度見込み(1873億円)から27%増の2379億円を目指す。
堀坂明弘社長は2013~2016年度の前中期経営計画について「営業収益ベースでは少しショートしたが、営業損益ベースでは目標をクリアできた」と、一定の成果が得られたことを強調。
新しい中計については「従来の旅行業の領域を超えて、お客さまの求める価値を実現しなければならない」と、地方創生事業を含めた新しい領域への取り組みに意欲を示した。