日本政府観光局(JNTO)が21日に発表した2月の訪日外客数(推計値)は、73万人で前年の同じ月と比べて33.1%増加した。中華圏市場が旅行シーズンとなる旧正月(春節)時期の変動などで前年同月の実績を大幅に上回った。各種訪日プロモーションや円高の緩和傾向などもプラス要因。尖閣諸島の問題の影響が残る中国を除けば、東アジア、東南アジアは総じて堅調だった。
旧正月の休暇期間は、暦の関係で昨年は1月下旬だったが、今年は2月中旬だったため、旅行需要に大きく影響した。1〜2月の累計では139万8千人となり、前年同期比で13.4%の増加となった。
2月としては主な訪日市場で6カ国.地域が過去最高を記録した。台湾が15万人(前年同月比74.2%増)、香港が5万7千人(同96.5%増)、タイが2万人(同29.6%増)、マレーシアが1万1千人(同49.3%増)、インドが5千人(同1.4%増)、ベトナムが4千人(同20.2%増)。
最大の訪日市場である韓国は同38.5%増の23万4千人。円安ウォン高への急速な変化を受け、訪日旅行の割高感が解消されたことがプラス要因。ビジット.ジャパン(VJ)事業でも関東、北海道、九州を中心とする情報発信などに注力して訪日旅行需要を刺激した。
中国は同2.1%減の8万1千人。個人客を中心とする旧正月の訪日旅行が需要を下支えしたが、団体旅行は減少している。1〜2月累計でみると、前年同期比30.6%減の15万3千人にとどまった。一方で回復への期待もあり、JNTOでは「1月以降、北京などで多くの訪日旅行商品の広告掲載が開始され、VJ事業でも屋外広告、微博(中国版のツイッター)での情報発信を行った」と報告している。
欧米豪の主な市場では、米国が前年同月比4.1%増の4万6千人、英国が同5.6%増の1万3千人、豪州が同18.9%増の2万1千人だった。
一方、2月の出国日本人数は前年同月比9.3%減の142万7千人だった。