帝国データバンクによると、今年2月の全国企業倒産(負債額1千万円以上、法的整理による倒産)は966件、負債総額は4275億9600万円だった。件数は6カ月連続で前年同月比減少。負債総額は同64.3%の大幅減となった。需要急減の影響で前年同月に多発した製造業、卸売業の倒産の反動減が目立っている。
件数は前月比で1.8%増加したものの、前年同月比で14.6%減。年度ベースでも09年4月〜10年2月の合計は1万1718件と、前年同期の1万2018件を300件下回っている。
負債総額は前月比で83.5%、前年同月比で64.3%のそれぞれ減少。前年同月比では2カ月ぶりに減少した。負債100億円以上の大型倒産が3件にとどまったことなどが影響した。
倒産件数を業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を下回った。中でも卸売業は同37.1%の大幅減。サービス業は4.4%増と、唯一前年同月を上回った。サービス業の中では広告制作(同200.0%増、12件)の増加が目立つ。前月比では建設業が2カ月ぶり、小売業が4カ月ぶりに増加に転じた。
倒産の主因別では、販売不振、売掛金回収難などの「不況型倒産」が812件で、前月(777件)比増加したものの、前年同月(924件)比では減少した。倒産全体に占める割合は84.1%で、前月比2.2ポイント、前年同月比2.4ポイントのそれぞれ増加。09年11月の84.6%に次ぐ2番目の高水準となった。
倒産の規模別では、負債5千万円未満の倒産が463件で、倒産全体に占める割合は47.9%。06年12月の47.5%を上回り、同社が倒産の集計基準を法的整理のみに変更した05年4月以降で最高を記録した。
地域別では、9地域中8地域で前年同月を下回った。中でも北海道(同34.1%減、27件)、北陸(同43.6%減、22件)、四国(同45.5%減、18件)は30%を超える大幅減となった。地方圏で建設業の減少が目立つ。中部(同0.7%増、142件)は唯一、前年同月を上回った。