九州運輸局、着地型ガイドツアー実証の成果検証 ~販売実証から見えた「適時・適所」の重要性と展望~


 九州運輸局は12月17日、「旅ナカにおける『着地型ローカルガイドツアー』を利用した訪日外国人観光客動向調査」の第2回検討会を開いた。近年、個人旅行(FIT)の増加に伴い、訪日前の「旅マエ」における予約環境は整備されつつあるが、訪日後の「旅ナカ」における体験商品の販売・提供体制には依然として課題が残る。

 

 本事業は、九州の玄関口である福岡において試験的な販売窓口を設置し、訪日外国人観光客の深層心理や行動変容を分析することで、地域周遊の促進と通訳ガイドの環境整備を目指すものだ。

 

 検討会には、実施主体の九州運輸局をはじめ、事業進行を担う株式会社Onwords、連携先の一般社団法人九州通訳・翻訳者・ガイド協会(K-iTG)、さらにオンラインで福岡市や周辺自治体(太宰府市、八女市、宗像市、有田町)、有識者としてミテモ株式会社が参加。2025年10月に実施された販売実証およびアンケート調査の結果報告を受け、次年度(2026年)に向けた具体的な取り組み方針について活発な議論が交わされた。

研修資料

 

実証実験が浮き彫りにした「旅ナカ」のリアル

 本事業の核心となる実証実験は、2025年10月20日から26日までの1週間、福岡市内の主要交通拠点である博多駅および天神の2カ所に特設カウンターを設置して行われた。販売商品は、福岡市内(旧市街・福岡城址)、太宰府、宗像、八女、佐賀県・有田町を巡る計6コースで、価格帯は1万円から5万5千円(2名1組参加時の1名料金)。即時予約手配が可能な体制を整え、訪日客への直接アプローチを試みた。

 

 しかし、その結果は厳しいものであった。期間中のツアー販売数は、目標の7件に対し「0件」。交通の要衝という立地条件にもかかわらず、実際の成約には至らなかった。

 

 一方で、同時に実施されたアンケート調査(回答数236件)からは、この「販売実績ゼロ」の要因を紐解く極めて重要なデータが得られた。「旅ナカでのガイドツアー販売所はどこが良いか」という問いに対し、最も多くの票を集めたのは「ホテル(29件)」であり、実証を行った「鉄道駅(7件)」を大きく上回ったのだ(観光案内所は19件)。

 

 この結果は、移動の通過点である「駅」では、旅行者は先を急いでおり、じっくりとツアー商品を検討する心理状態にないことを示唆している。対して、滞在の拠点となる「ホテル」は、旅行者がリラックスし、翌日以降の計画を練る場であることから、潜在的なニーズが高いことが裏付けられた。

会議の様子

 

欧米豪市場が求める「体験価値」と「人」

 検討会では、欧米豪圏出身者を対象としたオンラインインタビュー(定性調査)の結果も共有された。これによると、すでに有名な観光地や大都市へのツアーよりも、地方の未開拓なエリアや、自分たちだけではアクセスや言語に不安がある場所へのガイド同伴ニーズが高いことが判明した。

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