学び直しを支える主な国の制度
国は働く人の学び直しを後押しし、個人の受講費や企業の研修費を支える給付金・助成金を設けている。人手不足やDX対応が課題の観光産業でも、経営改善や人材定着につなげる手段として活用が期待される。
個人向けの柱が厚生労働省の「教育訓練給付制度」。雇用保険の加入歴などの条件を満たす人が、厚生労働大臣の指定講座を受けると、費用の一部を給付。一般教育訓練は費用の20%、上限10万円。特定一般教育訓練は40%、上限20万円で、資格取得などの条件を満たせば最大50%、上限25万円となる。指定を受けた大学院講座も対象になる専門実践教育訓練は、受講費の50%、年間上限40万円が基本。資格取得や就業などの条件で70%、修了後の賃金が受講前より5%以上上昇するなどの要件も満たせば、最大80%、年間上限64万円を受けられる。文科省が認定する「職業実践力育成プログラム」(BP)認定講座にも、教育訓練給付金の対象講座があるのでおさえておきたい。
学ぶ時間を支えるのが、昨年10月に始まった「教育訓練休暇給付金」。条件を満たす雇用保険加入者が、会社の制度に基づき連続30日以上の無給休暇を取って学ぶ場合、失業給付の基本手当に相当する額を支給する。授業料ではなく、休暇中の生活費を支える。
一方、企業の従業員育成には「人材開発支援助成金」がある。職務に必要な技能を習得させる「人材育成支援コース」、デジタル人材育成や定額制研修などに対応する「人への投資促進コース」、新事業への進出やDXに必要な訓練を支える「事業展開等リスキリング支援コース」が選択肢。後者は中小企業の場合、対象訓練経費の75%を助成する場合がある。
旅館・ホテルも新サービス開発や業務改善に向けた社員研修などで活用を検討できる。ただし、企業向け助成金は原則として雇用する従業員が対象。経営者向けには自治体独自の受講料補助などもあるので積極的に利用したい。
給付率は講座や条件で異なる。企業向けは訓練前の計画届が必要で、個人向けも受講前の手続きが必要な場合がある。各申請先に事前に相談することを勧めたい。

学び直しを支える主な国の制度




