JATA 新たな訪日地方誘客施策「JAPAN, GO BEYOND」を始動 3カ年で重点地域に誘客強化 第1弾は東北地方


プロジェクトのロゴを披露するJATA訪日旅行推進委員会の山北栄二郎委員長(中央)と、訪日旅行推進部の齋藤浩之部長(右)、田村晴彦担当部長(左)

プロジェクトのロゴを披露するJATA訪日旅行推進委員会の山北栄二郎委員長(中央)と、訪日旅行推進部の齋藤浩之部長(右)、田村晴彦担当部長(左)

 日本旅行業協会(JATA)は今年度から、訪日地方誘客の新たな施策「JAPAN, GO BEYOND」プロジェクトを開始した。毎年特定の広域エリアを重点地域に選定し、3年間を一つのサイクルとして、地域の魅力発掘から受け入れ態勢の整備、商品造成やプロモーション、実際の訪問実現まで、段階的な誘客施策を展開する。第1弾は東北観光推進機構(以下、東観推)と協力し、今年度から2028年度まで、東北6県で欧米豪からの誘客を増やす。10月22日に開かれたJATAの定例会見では、訪日旅行推進委員会の山北栄二郎委員長、訪日旅行推進部の齋藤浩之部長、田村晴彦担当部長が出席し、プロジェクトの概要を説明した。

10年以内をめどに全国10エリアで展開

 同プロジェクトは、国が掲げるインバウンド目標「2030年までに訪日外国人旅行者6千万人」の達成に向けた施策。広域連携DMOや地方自治体、旅行会社などが一体となり、観光庁や日本政府観光局(JNTO)とも連携しながら訪日地方誘客の仕組みを社会実装する。

 スキームとしては、広域連携DMO(10団体)が所管する各10地域の中から毎年1~2地域を選定し、進行ステージが異なるプロジェクトを同時進行する形を想定。JRグループが行っている「デスティネーションキャンペーン」のようなもので、今後10年以内をめどに全10エリアでの実施を目指す。

 3年間のサイクルのうち、1年目は現状把握や事前調査、ターゲット設定などを行う「連携準備」期間、2年目は受け入れ環境整備や商品造成、プロモーションなどを行う「認知・整備」期間、3年目は実訪問や宿泊が実現し、着地型商品の販売や現地イベント開催なども見据えた「誘客・刈り取り」期間とする。

 第1弾の実施地域となる東北は、主要ターゲットを欧米豪に設定。今年度から2028年度にかけて、新たな観光ルートの開発や旅行商品販売チャネルの確立、商品プロモーションなどを複数年計画で実施し、誘客を促進する。

 「連携準備」期間に当たる今年度は、10月26、27日にJATAの訪日旅行推進委員会の会合を仙台市で実施。現地観光関係者を対象とし、セミナーや意見交換会、岩手県の視察などを行う。11月3~5日に英国で開催される観光見本市「WTMロンドン2026」では、JATAと東観推で連携し、東北の魅力を発信。最終的には、訪日取り扱い旅行会社の東北商品造成に向けたトライアル支援も開始するほか、新たな広域観光モデルルートも策定する。

 東北地方の訪日外国人延べ宿泊者数(2025年)は、全国に占める割合が1.7%にとどまる。宿泊者全体における訪日外国人割合も、全国平均の27%に対して7%となっており、東北への訪日誘客促進には2次交通整備、観光人材不足、新たな観光コンテンツの造成、認知度向上などに向けた取り組みが求められている。

ロングホール需要喚起へ 旅行会社のDMC機能も重要に

 10月22日の定例会見で山北委員長は、東北の現状について「欧米豪を中心としたロングホールでお越しになる方が少なく、東アジアに偏っている」と指摘。今回の施策に旅行会社が関わる意義は、広域で高付加価値な商品を提供し、欧米豪のロングホール需要を喚起することにあると強調した。

 「世界を見渡すと、旅行会社の役割がよりDMC(Destination Management Company)に寄ってきている。訪日市場が急成長する中では、限られた旅行会社の中だけでは十分なDMC機能が果たしきれない」と山北委員長。地域の魅力をターゲットの市場に伝え、良質な体験を提供するDMCの強化・多様化が、今後の訪日市場活性化に重要との認識を示した。

プロジェクトのロゴを披露するJATA訪日旅行推進委員会の山北栄二郎委員長(中央)と、訪日旅行推進部の齋藤浩之部長(右)、田村晴彦担当部長(左)
プロジェクトのロゴを披露するJATA訪日旅行推進委員会の山北栄二郎委員長(中央)と、訪日旅行推進部の齋藤浩之部長(右)、田村晴彦担当部長(左)。ロゴは、日本の原風景でもある「金色に輝く稲穂」をデザインした。プロジェクトは、定番の観光地を超えて(BEYOND)、地方に眠る未知なる宝物を発見してもらうことをコンセプトとして掲げる

 
 

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