「見つめる数だけ、魅力がある」――路上園芸から暗渠、電線まで、9人の専門家が江東区の街を多層的に読み解く「メタ観光シンポジウム2026」、11月21日開催


 一般社団法人メタ観光推進機構は11月21日、東京都江東区で「江東区メタ観光シンポジウム 〜見つめる数だけ、魅力がある。 みんなの視点を重ねて楽しむ街歩き〜」を開催する。

 会場は小松橋区民館5Fタウンホール(東京都江東区扇橋2丁目1−5)。都営新宿線・東京メトロ半蔵門線の住吉駅から徒歩約9分、都バス扇橋二丁目停留所も利用できる。

 本シンポジウムは、江東区の令和8年度観光施策として実施されるもので、今年度江東区で取り組んできたメタ観光の活動内容とメタ観光マップを広く紹介することを目的としている。参加費は無料。

午前はガイドツアー、午後はシンポジウム 二部構成で展開

 当日は午前と午後の二部構成で行われる。

 午前11時から12時30分にかけては、江東区文化観光ガイドによる初のメタ観光ガイドツアーを実施。用意されているコースは次の2つだ。

  • 「汐風に吹かれて塩浜さんぽ」(東陽町エリア)
  • 「知られざる水の都 魅惑の潮見アイランド」(潮見エリア)

 各コースの定員は10名(抽選)。江東区の地を専門的な視点で歩く、これまでにない試み。

 午後は13時40分に開場し、14時から16時までシンポジウムを開催する。定員は100名(抽選)。

8つのテーマ、9名の専門家が登壇

 シンポジウムのプログラム(予定)は以下の通りだ。

 まず、メタ観光推進機構代表理事の牧野友衛氏が「ご挨拶とメタ観光、今年度の取り組み紹介」を行う。続いて江東区による「江東区のメタ観光の取り組み」の紹介、同機構理事の菊地映輝氏による「メタ観光ガイドツアー」の報告、同機構理事でもある江東区文化観光ガイドの真鍋陸太郎氏による「ガイド講習会と当日のガイドツアー実施報告」が続く。

 後半のメインとなるのが、パネルディスカッション「専門家視点から見る江東区の魅力」だ。モデレーターを牧野友衛氏と菊地映輝氏が務め、今年度のガイドツアーに参加した専門家8組9名がパネリストとして登壇する。

 各パネリストと専門分野は次の通り。

路上園芸 — 村田あやこ氏

 路上園芸鑑賞家・ライター。一人学会「路上園芸学会」を名乗り、軒先や隙間で威勢よくはみ出す誰かの園芸や植物を愛でる活動を続ける。現在は横浜国立大学大学院環境情報学府博士課程後期に在籍し、植物生態学を研究。著書に『たのしい路上園芸観察』(グラフィック社)、『はみだす緑 黄昏の路上園芸』(雷鳥社)、『緑をみる人』(雷鳥社)。フジテレビ「ボタニカルを愛でたい」に出演中。お散歩ユニット「SABOTENS」としても活動している。

旧町名 — 102so(じゅうにそう)氏

 住居表示の実施で概ね昭和40年前後に消滅した町名=「旧町名」を探す活動を平成18年に開始。以後長年にわたり街中の旧町名を探し続けている。「旧町名をもっと身近にもっと気軽に」をテーマに、発見した旧町名の紹介ブログ「旧町名をさがす会」を平成22年に開設。令和5年には著書「旧町名さがしてみましたin東京」(二見書房)を出版。名前は西新宿の旧町名・十二社に由来する。

文字観察 — 松村大輔氏

 ブックデザイナー。町々の文字を日々観察し続ける。著書に『まちの文字図鑑 よきかなひらがな』『まちの文字図鑑 ヨキカナカタカナ』(大福書林)など。

暗渠 — 暗渠マニアックス(吉村生・髙山英男)氏

 『暗渠マニアック!』(柏書房・筑摩書房)著者、吉村生・髙山英男によるユニット。特定暗渠の深掘り(吉村)×多数暗渠の俯瞰(髙山)という二つの視点で、日本中の「暗渠目線」を開拓中。ほかの共著に『暗渠パラダイス!』(朝日新聞出版)、『まち歩きが楽しくなる 水路上観察入門』(KADOKAWA)、『「暗橋」で楽しむ東京さんぽ 暗渠にかかる橋から見る街』(実業之日本社)、『全国暗渠観光ガイド 街と歴史のウラ名所めぐり』(学芸出版社)、『47都道府県・暗渠百科』(丸善出版)など。

電線 — 石山蓮華氏

 電線愛好家・文筆家・俳優。日本電線工業会公認・電線アンバサダー。TBSラジオ「こねくと」メインパーソナリティ。テレビ番組『タモリ倶楽部』や映画、舞台などに出演。著書に『犬もどき読書日記』(晶文社)、『電線の恋人』(平凡社)がある。

ドンツキ — 齋藤佳氏

 ドンツキ協会・会長。地元墨田区北部・向島エリアで、まちに数多く存在する行き止まりの道=「ドンツキ」をまちの個性として捉え、その観察・研究および表現活動によってドンツキの地位向上に取り組む。ドンツキを巡るツアー「ドンツキクエスト」のほか、ドンツキを活用したイベントを不定期に開催。「タモリ倶楽部」「アド街ック天国」ほかテレビ・新聞・ラジオ等に多数出演。

ご近所闇 — 中野純氏

 体験作家、闇歩きガイド。闇や月に関わる多様な著作を発表しつつ、各地の夜を歩くことでその地域の魅力を発掘するツアーや、闇遊び・月遊びのワークショップを数多く実施。主著に『ナイトハイクのススメ』(ヤマケイ新書)、『「闇学」入門』(集英社新書)、『東京「夜」散歩』(講談社)、共著に『夜旅』(河出書房新社、写真/中里和人)など。『さんたつ』で連載中。私設図書博物館「少女まんが館」共同館主。東京造形大学非常勤講師。

照明 — 東悟子氏

 熊本県生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校東アジア学部卒業。LPA代表面出薫の秘書として業務をサポートする傍ら、照明探偵団の事務局長も担当。国内外で行われるさまざまな照明探偵団活動を企画運営し、照明デザインや照明文化が社会に広く認知されるよう積極的に活動。広報も担当し、LPAのプロジェクトや探偵団活動のプロモーションも行っている。

 司会は水木彩也子氏が務める。幼少期より俳優として活動し、ドラマやCM、舞台など幅広い作品に出演。テレビ朝日系列『朝だ!生です旅サラダ』で海外リポーターを務めた後、日本一周の旅をきっかけに旅や地域の魅力を伝える活動を本格化。現在はモデルや記事執筆、イベント出演など幅広く活動し、日本遺産ソムリエの知識も活かしながら各地の歴史や文化、その土地ならではの魅力を発信している。

応募は11月2日まで、江東区在住・在勤・在学者や江東区ファンが対象

 参加を希望する場合は、申し込みフォームから応募する必要がある。応募期間は2026年10月11日(日)から11月2日(月)まで。

 参加条件は「江東区在住・在学・在勤の方、または江東区ファンの方」で、アンケートへの回答と撮影への協力が求められる。当選発表は11月6日(金)に当選者のみにメールで通知される。

 問い合わせ先は江東区文化観光課観光推進係(TEL: 03-3647-3312)。

「メタ観光」とは何か

 メタ観光推進機構は「メタ観光」について、次のように説明している。

 「これまでの『観光』にとらわれず、多様化する人々のニーズに対応し、『アニメ聖地』『写真映え』『地形』等、地域に潜在する多様な魅力を観光資源として多層レイヤーのオンライン地図『メタ観光マップ』に可視化することで、地域観光の活性化に寄与する新しい概念」。

 路上園芸、旧町名、文字観察、暗渠、電線、ドンツキ、ご近所闇、照明――。今回のシンポジウムが掲げるテーマはいずれも、これまでの観光では正面から取り上げられてこなかった視点だ。「地域をよく知る住民と、それぞれの分野を深く見つめる専門家の視点を重ねることで、見慣れた街から新しい魅力を発見する楽しさを共有する」というのが、本シンポジウムの狙いだ。

 一般社団法人メタ観光推進機構は、2021年1月に活動を開始。調査研究、助成事業、シンポジウムによるメタ観光の考え方の普及活動のほか、地域でのメタ観光の実践事業を行っている。機構ホームページのほか、X、Facebook、YouTube、noteで情報を発信している。

 
 

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