都市景観大賞、長野県の県立美術館・城山公園と南九州市の番所鼻自然公園に大賞


 国土交通省は令和8年度「都市景観大賞」の受賞地区・活動を発表した。大賞の国土交通大臣賞には、都市空間部門で「長野県立美術館・長野市城山公園周辺地区」(長野県長野市)、景観まちづくり活動・学習部門で「住民有志の発意による100年後も語り継がれる風景づくり―bandpark 番所鼻自然公園リ・デザイン―」(鹿児島県南九州市)が選ばれた。

 同賞は「都市景観の日」実行委員会が、より良い都市景観の形成をめざすための普及啓発の一環で、地域の活性化につながる優れた地区や地域景観に関する活動を表彰するもの。今回は都市空間部門で5地区、景観まちづくり活動・学習部門で4活動が選ばれた。

 都市空間部門の大賞となった長野県立美術館・長野市城山公園周辺地区は、善光寺に隣接する美術館の建て替えを契機に、公園や周辺道路を含めて一体的に整備した。「ランドスケープ・ミュージアム」をコンセプトに、敷地内が風致地区の城山公園内にあたることから建物の高さを抑え、周囲の景観と調和させた。

 また、展示室以外の共用部を無料で開放し、公園利用者や善光寺の参拝客、近隣の学校に通う生徒なども気軽に立ち寄れる施設を目指した。屋上広場には善光寺や信濃の山並みを望む新たな眺望空間を創出。歩道橋の撤去や周辺歩道の整備も併せて行い、善光寺と美術館の視覚的なつながりを確保した。県民参加のワークショップなどを重ねて計画を深めた過程も含め、公共施設や公園の更新における景観形成のモデルとして評価された。

 景観まちづくり活動・学習部門の大賞は、南九州市の番所鼻自然公園を住民主体で再生した取り組み。公園内に放置されていた民間建物の撤去に向け、NPO法人頴娃おこそ会などが長年活動してきたが、過疎地域のため財力や人的リソースが限られていた。

 そこで、NPOのメンバーが設立した一般社団法人アソビシロを中心に、3年間で50回以上の住民参加の社会実験を行い、公園の再整備計画を策定。国や県、市との官民連携事業を組み合わせ、公園のリニューアルや公設民営のカフェ、ツリーキャンプなどの整備を進めた。収益の5%を公園管理費に還元する仕組みも導入し、景観の保全と地域経済の循環を両立させている。

 公園来訪者数は平成22年(2010年)の1万5千人から令和6年(2024年)には20万人に増加。カヌー体験などを通じた環境学習の機会も提供しており、住民が景観資源の価値を見いだし、運営まで担う活動が高く評価された。

 受賞地区・活動と応募者は次の通り。

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