株式会社JTB Inbound Trip(以下「JIT」)とThinkAR Japan株式会社(以下「ThinkAR」)は9月15日、日本の観光・ホスピタリティ分野におけるAIウェアラブルソリューションの普及・活用に向け、基本合意書を締結した。
両社が活用するのは、ThinkARが提供するAIスマートグラス「AiLENS V1」だ。宿泊施設、観光案内所、ツアーデスク、観光施設、イベント会場、交通機関など、訪日旅行者と直接接するあらゆる現場での多言語対応とスタッフの接客・業務支援に向け、実証および事業化の検討を進める。

視線を外さず、情報をリアルタイムで確認
観光・ホスピタリティの現場では、訪日旅行者への多言語案内に加え、予約内容の確認、館内・周辺案内、交通案内、観光体験に関する問い合わせなど、さまざまな場面で迅速かつ自然なコミュニケーションが求められる。
AiLENS V1は、スマートフォンと連携し、翻訳結果やAIアシスタントによる情報をグラス上に表示できるAIスマートグラスだ。スタッフが相手や周囲から視線を大きく外すことなく必要な情報を確認できる。スマートフォンの画面を都度確認する頻度を抑えながら、応対スピードの向上と、より自然な対話を支援する仕組みとなっている。
両社の取り組みは、機器を単に導入するのではなく、JITが持つ訪日旅行・宿泊領域の知見とネットワーク、ThinkARのAIウェアラブル技術を組み合わせ、現場で継続運用できるサービスモデルの構築を目指すものだ。

「COMMUNICATE」「ASSIST」「OPERATE」の3軸で現場を支援
観光現場における主な活用イメージとして、両社は3つの軸を示している。
1つ目は「COMMUNICATE(多言語コミュニケーション支援)」だ。チェックイン、予約内容の確認、館内案内、経路案内、観光案内などの会話をリアルタイムで支援する。
2つ目は「ASSIST(接客・情報確認支援)」。接客時に必要な案内内容やAIによる情報を、ハンズフリーで確認できる活用方法を検討する。
3つ目は「OPERATE(運営・サービス向上)」だ。経験の浅いスタッフや短期スタッフを含め、応対品質の平準化と業務効率化を目指す。
ホテルフロントでのチェックイン対応から、空港・交通案内、観光施設・ツアー案内に至るまで、幅広いシーンへの展開が想定されている。
実証から商用モデルへ、4つのステップで推進
両社は今後、以下の4段階を中心に検討・実証を進め、観光・ホスピタリティ分野におけるAIウェアラブルの実用化と継続的な事業展開を目指す。
第1段階は「実証事業の実施」だ。宿泊施設や観光事業者等と連携し、現場スタッフによるAiLENS V1の利用検証を行う。
第2段階は「ユースケース・運用設計」。観光・ホスピタリティ特有の利用場面、教育資料、運用フローを共同で整備する。
第3段階は「効果検証」だ。旅行者の体験、スタッフの利用意向、応対時間、業務効率などを確認する。
第4段階は「商用モデルの検討」。JITのネットワークを活用し、複数施設へ展開可能な販売・導入・運用モデルを検討する。
役割分担として、JITはJTBグループ各社や地域の観光事業者との連携を進め、ThinkARはAiLENS V1の提供、セットアップおよび技術支援を担う。実証結果を踏まえ、宿泊施設から観光案内、交通、イベントなどへの段階的な展開を検討する方針だ。
AiLENS V1とは 翻訳・AIアシスタント・テレプロンプターを視界に表示
AiLENS V1は、スマートフォンと連携し、翻訳、AIアシスタント、通知・通話、テレプロンプターなどの情報を視界に表示できるAIスマートグラスだ。必要な情報をハンズフリーで確認できるため、多言語コミュニケーションや接客・現場業務を自然に支援する。
日本国内では、SB C&S株式会社が正規販売代理店として取り扱っている。製品情報は公式サイト(https://www.thinkar.com/pages/ailens)で確認できる。
両社の概要
JITは、JTBグループおよびTrip.com Groupの合弁会社として、訪日インバウンド領域における宿泊仕入事業、データ活用、観光事業者支援を展開している。JTBグループ長期ビジョン「OPEN FRONTIER2035」の実現に向け、観光業界のパートナーとの共創を通じて、顧客価値の創出に取り組む会社だ。
ThinkAR Japanは、AIウェアラブルを通じて、人のコミュニケーション、情報アクセス、業務支援をより自然にするテクノロジーを提供している。主力製品「AiLENS V1」は、翻訳やAIアシスタントなどの情報を視界に表示し、多言語コミュニケーションや現場業務を支援する。




