平屋が連なるモダンな外観が目をひく
熊本県人吉市の中心部から少し離れた山際の静かなエリアに、モダンな外観の平屋が連なる宿がある。大正時代創業の歴史を持つ人吉温泉石野乃湯「ICHIFUJI RYOKAN」だ。同館の特徴は、全8室が露天風呂付き離れであること。4タイプの部屋全て内湯、露天風呂ともに天然温泉かけ流し。泉質は、弱アルカリ単純泉とナトリウム塩化物炭酸水素塩泉。しっとりとした優しい肌触りの温泉を24時間自由に楽しめると評判だ。
同館は創業以来人吉市の中心部で、町屋旅館「一富士旅館」として歴史を刻んできた。だが2020年の球磨川の氾濫で被災。2024年に温泉旅館として新たな場所に再建した。「人吉・球磨エリアで、全室に温泉を引いた内湯、露天風呂のある離れタイプの宿は当館だけ」と、女将の松田淳子さんはアピールする。
再建にあたってこだわったのは、周りに気兼ねすることなくゆっくりと温泉を楽しんでもらうこと。夕食は個室食事処で提供するが、朝食は部屋食だ。「実は各部屋に、対面せずに朝食を受け取れる小窓があるんですよ」と松田さん。「女性は朝食に行くにも、着替えたり化粧をしたりする方が多い。パジャマのまま朝食を食べ、その後またゆっくり温泉に浸かってもらいたかったんです」(松田さん)。
7月の熊本地震では大きな被害はなかったが、交通網の影響や余震への心配からキャンセルが出た。一方で、宿を心配して泊まりに来る常連客もおり、人の温かさに感謝する日々だ。「人吉は温泉はもちろん、歴史あり、球磨焼酎あり、魅力がたくさんあるが、知られていない。若い人にも目を向けてもらえるよう、協力して発信していきたいです」。
【8室、2人1室1泊2食3万5千円から(税込み)】

平屋が連なるモダンな外観が目をひく




