Soracle の協業パートナーである米 Archer Aviation は8月21日、同社が開発を進める空飛ぶクルマ(eVTOL)「Midnight」について、国土交通省航空局(JCAB)に対して型式証明(Type Certificate:TC)の申請を行い、同日付で受理された。
受理をもって、正式に TC に係る審査の認証プロセスが開始される。Soracle は「認証プロセスの進展に応じて、Archer 社との協業の深化、及び、商用運航開始に向けた事業準備を着実に進めてまいります」としている。

TC とは何か 航空機の安全性・環境適合性を証明する制度
TC とは、航空機が安全基準および環境基準に適合していることを証明するものだ。今回の申請受理により、「Midnight」は日本における正式な審査フェーズへと移行した。
Soracle とはどのような会社か
Soracle は、2024年6月に日本航空株式会社と住友商事株式会社の合弁によって設立された eVTOL 運航事業会社だ。次世代の空の移動手段である空飛ぶクルマを活用し、持続可能かつより身近な空の移動手段を提供することを目的としている。
代表取締役は太田幸宏・佐々木敏宏の2名。所在地は東京都中央区。事業内容は eVTOL(空飛ぶクルマ)による航空運送事業(許可取得予定)。
同社は「新しい空の移動価値を創造し、社会と人々の生活を豊かにすることをめざしています」と掲げており、大阪・関西万博でのモデル機体展示イベント「Future Sky Experience」や、2026年度の実施をめざす大阪ベイエリアでの実証フライトといった取り組みを機運醸成のレガシーとして引き継ぎながら、2028年度以降の空飛ぶクルマの社会実装を目指している。
Archer Aviation との戦略的連携 100 機の購入権を取得済み
Soracle は2024年11月に Archer 社と、空飛ぶクルマ(eVTOL)の商用運航実現に向けた協業の検討を開始する戦略的関係構築に向けた基本合意書を締結。この基本合意書の締結と同時に、今回 JCAB により TC 申請が受理された「Midnight」の最大100機の購入権を取得している。
Soracle は「Midnight」を事業に使用する最有力機材として位置付けており、その開発の進捗を見極めながら、大阪ベイエリアにおける全国に先駆けた商用運航開始を目指し、関係各社および自治体と連携しながら事業準備を進めている。
今回の TC 申請受理を受け、Soracle は「安全性を最優先とした運航体制の構築および事業基盤の整備を引き続き着実に推進するとともに、認証プロセスの進展に応じて、Archer 社と連携し、日本における空飛ぶクルマの社会実装の早期実現に向けて取り組んでまいります」としている。
「Midnight」の機体性能 定員5名・最高速度 240km/h
Archer 社が開発する「Midnight」は、最小の充電時間で迅速な主要都市間輸送を可能にする eVTOL だ。定員は旅客4名とパイロット1名の計5名。
主な運航性能は以下の通り。
- 最高速度:240km/h
- 航続距離:160km
- 最大積載量:454kg
機体寸法は全長約10m、全幅(翼長)約15m、全高約4m。Archer 社は「安全」で「持続可能(サステナブル)」、かつ「低騒音」な次世代型移動の実現を目指している。
Archer Aviation とはどのような会社か
Archer Aviation, Inc. は2018年に設立された米国の eVTOL 設計・開発・運航企業だ。Founder & CEO は Adam Goldstein。所在地はアメリカ合衆国カリフォルニア州。
大阪ベイエリアでの商用運航に向けた体制構築 自治体・交通事業者との連携が進む
Soracle はこれまでに、大阪ベイエリアでの商用運航実現に向けた複数の連携協定を締結している。
2025年9月10日には、大阪府・市と「空飛ぶクルマ」のビジネス化推進に向けた連携協定を締結。同社は「大阪・関西万博での取り組みをレガシーとして未来へ繋げます」としている。
2026年3月7日には、Osaka Metro と空飛ぶクルマの社会実装に向けた基本合意書を締結した。大阪港バーティポートを運航拠点とし、空飛ぶクルマの社会実装に向けた取り組みを推進するとしている。
さらに2026年3月16日には、大阪ヘリポートを商用運航時の整備基地として活用することを発表。大阪・関西エリアにおける運航・整備体制の構築を着実に推進するとしている。
Soracle の事業展望 2028年度以降の社会実装をめざす
Soracle は、機体の開発状況や型式証明の取得状況を見極めつつ、2028年度以降の空飛ぶクルマの社会実装を目指している。
今回の TC 申請受理は、その実現に向けた重要なマイルストーンと位置付けられる。認証プロセスがどのように進展するかが、今後の商用運航開始時期に直接影響を与える。




