令和8年熊本地震で、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご家族を亡くされた方々へ、謹んでお悔やみを申し上げます。
被害に遭われた皆さまに、避難生活の日々を過ごしておられる皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
また現場で復旧に向けて力を尽くしている方々に、心からの敬意とエールを送ります。
被災地でも暑い日々が続きます。皆さま、どうか身の安全を第一にお過ごしください。
一日も早く穏やかな日々が戻りますように。
令和8年熊本地震の一報を目にした時、言葉になりませんでした。10年前の地震からようやく復興したというのに。
自然災害と一緒に語る話題ではありませんが、昨今、寂しいニュースに触れる機会が増えました。
それは家業で営んできた旅館経営者から「宿の経営を譲渡した」「最初の3年は運営に携わるが、ゆくゆくは離れる」という連絡です。そんな話を幾人からも聞くたびに胸が締め付けられます。
次回の連載原稿では、待ったなしの皆さんの状況をつづりながら、温泉旅館の存続のために、今できることを提案してみようと思います。
ただ、今回は少し明るい話題をお届けしようと思います。
先日、こんなうれしいお便りが届きました。
「いま『図書館を使った調べるコンクール』に出すための自由研究をしています。テーマは『日本人はなぜ温泉が好きなのか?』です」
な、なんと! 目を丸くしながらお便りをいただいたのは、小学校5年の中村玄(なかむら・げん)君です。
そもそも中村玄君が温泉に興味を持ったきっかけは、風邪による嘔吐(おうと)で酸の強い味を体験したからだといいます。調べてみると、同様の強酸性の温泉があると知り、テーマを考えたそうです。
何から興味を持ってもらえるのか、分からないですね!
先日、玄君から電話取材を受けました。事前にいただいた質問項目は「裸で入る文化」「昔の人の知恵」「日本人が温泉を好きな理由」などでした。
小学生のみずみずしい感性からの本質を捉えたストレートな質問に、私は舌を巻いたのでした。
だって、裸でお風呂に入る経緯や、なぜ日本人が温泉が好きなのかは、私が30年来、思考し続けてきたテーマなのですから。
ちなみに玄君は、お盆休みに家族で鹿児島の指宿温泉に行き、砂蒸し風呂を取材に行かれたそうです。私への取材依頼も、電話取材も、そこにはお母さんの手助けがありまして、お母さんと一緒に玄君は温泉への理解を深めています。
日本温泉協会の多田計介会長は「子供たちが生まれ育った地域を誇りに思う教育が必要」と、シビックプライドの醸成の重要性を説いておられます。
関豊専務理事は「今はシャワーで済ますのが当たり前となり、裸でお風呂に入る入浴文化が、子供たちに伝えられていない。日本人がお風呂に入る大切さをもっと訴えないと」と指摘されます。
2人のお考えに共鳴していた私は、玄君とのやり取りが未来への希望に感じたのです。
被災された温泉地の皆さま、キャンセルが続く九州の宿の皆さま、どれほど不安を抱えておられるでしょう。
未来はあります。温泉を知ろうとする子供がいます。どうか心折れずに、いまを生き抜いてください。未来を諦めないでください。
余震が落ち着き、そして応援するための旅が奨励されるタイミングに、私もお役に立てるように頑張ります。
(温泉エッセイスト)




