記念式典に出席した宮崎知事(左から2番目)と冨山会長(右から2番目)、松下社長(中央)
和歌山県那智勝浦町のホテル浦島が1日、リニューアルオープンした。日昇館のレストランをライブキッチン化したほか、海側の客室にベッドを入れるなど全面的にリニューアル。DXによる省人化ともてなし力の強化やグループ各館のロゴ刷新なども行い、創業70周年を機に、「浦島チェーン」のブランド力向上を図る。
ホテル浦島は昭和31年創業。洞窟風呂で知られる「忘帰洞」を中心に豊富な源泉に支えられた複数の温泉と、東京ドーム4.5個分もの広さの半島を敷地とした四つの館で構成する大規模な施設で知られる。23年にJpiXグループに入り、運営、経営面の強化を進めてきた。今回の大規模リニューアルは今年12月に迎える70周年を機に行った大規模改修の第1弾で、投資金額は約40億円。
リニューアルの全体コンセプトは「懐かしくて、新しい。大自然に包まれる至福のひととき」。日昇館のレストランをライブキッチンに刷新。従来入口にあった階段を外して、海を望む大開口の窓までの開放感を出したほか、目玉である生マグロの解体台から連なる形で、季節感ある出来たての料理や地酒などを楽しめる空間にした。
客室は、海側の78室をリニューアルした。琉球畳にベッドを配置した和洋折衷スタイルに変更。紀州の海をイメージした「うらしまブルー」を客室の各所に配したほか、窓際にはデイベッドも置き、熊野灘の絶景を楽しみながらくつろげる空間を演出する。
日昇館と本館をつなぐ通路も「海のトンネル」と銘打ってリニューアル。「10円キャッチャー」でおつまみを買い、ワンコインで地酒が楽しめる立ち飲みコーナーや、アートを使ったフォトスポットなどを新設した。
統一チェックイン場所となる本館ロビーも大きく変えた。最新の自動チェックイン機9台を導入し、スムーズな手続きを実現するとともにチェックイン業務外の個別接客を強化。エントランス脇には、和歌山の工芸品などを展示した初のロビーラウンジを開設。大型スーツケースをつなぐことができるセルフロッカーコーナーなども設置した。
リニューアルに合わせ浦島チェーン4館(ホテル浦島、料理旅館 万清楼、山水館 川湯みどりや、山水館 川湯まつや)のロゴマークも一新。忘帰洞のシルエットや海、山のシルエットをモチーフにした統一デザインを取り入れた。
リニューアルオープンに先立つ7月27日に開いた記念式典と内覧会には、和歌山県の宮崎泉知事はじめ那智勝浦町の堀順一郎町長ら、地元自治体の首長や行政関係者、金融機関関係者など約100人が参集。
冒頭あいさつした、親会社である日本共創プラットフォーム(JPiX)の冨山和彦会長は、自身が和歌山出身であることを紹介した上で「和歌山の宝であるホテル浦島は、日本の、世界の宝になり得るポテンシャルがある。今回のリニューアルは皆の知恵を最大限に使った3年間の結晶。次世代に何を残せるのか。20年、30年後といった長い時間軸で経営し、ホテルと南紀地域を盛り上げていきたい」と力を込めた。
次いであいさつした運営会社である浦島観光ホテルの松下哲也社長は「その土地にしかない魅力を磨いてお客さまに認めていただくことが、社員、会社、そして地域の成長につながると考えている。ホテルの価値は建物だけでなく食事、温泉、サービス、地域の物語、そして人、それらが一体となってお客さまの心に残る時間を生み出すことだ。今回のリニューアルで得られた次の時代への新しい舞台で価値を磨き続け、社員や地域の新しい挑戦につながるような好循環を作っていきたい」と意欲を語った。

記念式典に出席した宮崎知事(左から2番目)と冨山会長(右から2番目)、松下社長(中央)

開放感のあるライブキッチン




