東京メトロ、ダンデライオン・チョコレートに1億円出資 有楽町線延伸の新駅・千石エリアで「わざわざ訪れたくなる街」づくりへ


 

東京地下鉄株式会社(東京メトロ)は7月31日、クラフトチョコレートブランドのダンデライオン・チョコレート・ジャパン株式会社に1億円を出資し、資本業務提携を結んだと発表した。

 有楽町線延伸により2030年代半ばに開業する予定の新駅「(仮称)千石駅」周辺エリアのにぎわい創出と魅力向上を目的とした取り組みで、ダンデライオン・チョコレートは今秋、千石エリアに新たなファクトリー&カフェを出店する。

有楽町線延伸の新駅を核に、まちづくり推進

 東京メトロが出資を決めた背景には、ダンデライオン・チョコレートが蔵前エリアで10年にわたり培ってきた実績がある。

 ダンデライオン・チョコレートは2016年2月、東京・蔵前に日本1号店となるファクトリー&カフェを開業。以降、蔵前ではクラフト系店舗の集積が進み、リノベーションされた工場や倉庫跡地への出店が相次いだ。地域のブランディングやコミュニティ形成を主導してきた同社のノウハウを、千石エリアのまちづくりにも活かす狙いだ。

 具体的には、2026年4月に公表された「(仮称)千石駅周辺地区まちづくり方針」に基づき、美術館通りを中心とした沿道エリアでにぎわいを創出し、エリア価値の向上に取り組む方向で検討が進む。

 新たに開設されるダンデライオン・チョコレートの拠点は、(仮称)千石駅や東京都現代美術館が立地する美術館通りの周辺に位置する。

米サンフランシスコ発のBean to Barブランド

ダンデライオン・チョコレートは、米国サンフランシスコ発のBean to Barチョコレートブランドだ。

 Bean to Barとは、カカオ豆からチョコレートバーをつくるまでのすべての工程を一貫して行うことを指す。同社はシングルオリジンのカカオ豆とオーガニックのきび糖のみを使用し、すべての製造工程を自社ファクトリーで行っている。

 「クラフトを文化として根付かせる」をビジョンに掲げ、チョコレートづくりの工程やものづくりの背景を来訪者に伝える店舗づくりを通じて、地域に新たな価値を創出してきた。

 なお、クラフトとは「素材やつくり手の個性を大切にし、丁寧なものづくりを通して、その背景やストーリーまで楽しむこと」と定義されている。

 日本への進出は2015年5月の創業で、2016年2月に蔵前1号店を開業。現在は三重・伊勢、東京・吉祥寺にも店舗を展開する。(2026年7月現在)

 社名はダンデライオン・チョコレート・ジャパン株式会社で、本社は東京都台東区蔵前4-14-6。代表取締役は堀淵清治氏だ。

「清澄白河、蔵前、そして千石」――堀淵代表が語る街との関わり

両社のトップはそれぞれコメントを発表した。

 東京メトロ代表取締役社長の小坂彰洋氏は次のように述べた。

 「ダンデライオン・チョコレートは、蔵前に出店されてから約10年にわたり、クラフトやものづくりを軸に多くの人々を惹きつけ、地域の新たな魅力や活気を生み出してきました。今回の出資と新拠点の開業を契機に、蔵前で育まれた文化や交流が千石にも広がり、新たな人の流れやコミュニティが生まれることを期待しています。」

 ダンデライオン・チョコレート・ジャパン代表取締役の堀淵清治氏は、自身の経験を振り返りながら千石への思いを語った。

 「私は2015年、清澄白河にブルーボトルコーヒーの日本1号店を立ち上げ、一杯のコーヒーが街に人を呼び、新しい風景を生み出していく瞬間に立ち会いました。そして翌年2016年、蔵前という『ものづくりのまち』にダンデライオン・チョコレート日本1号店を開いてからの10年間、ファクトリーから漂うカカオの香りとともに、人とクリエイティビティが街に集まり、街の空気が少しずつ変わっていく――その手応えを、日々感じてきました。」

 そのうえで堀淵氏は、こう続けた。

 「このたび、東京メトロさんという心強いパートナーとともに、新しい駅から始まるまちの物語に加われることに、大きなワクワクを感じています。清澄白河、蔵前、そして千石。クラフトの文化がこのエリアに深く根付き、千石が『わざわざ訪れたくなる街』になるよう、一杯のホットチョコレートから、私たちらしいやり方で丁寧に街と関わってまいります。」

蔵前で育んだ10年のノウハウを千石へ

 蔵前エリアでのダンデライオン・チョコレートの歩みは、今回の提携の核心をなす部分だ。

 2016年の1号店開業後、蔵前周辺ではクラフト系店舗の集積が急速に進んだ。リノベーションされた工場や倉庫跡地への出店が相次ぐなど、まちの魅力向上に大きな役割を果たしてきた実績がある。

 同社は地域住民やクリエイターとの交流を通じて多様なコミュニティを育み、持続的なエリア活性化にも取り組んできた。

 東京メトロはこうした実績を高く評価し、同社が蔵前エリアで培ってきた地域のブランディングやコミュニティ形成のノウハウに加え、自社のまちづくりに関するノウハウも組み合わせながら、来街者や地域住民が集い交流する新たな拠点の創出を目指す方針だ。

出資の概要と今後の展開

今回の資本業務提携の概要は以下の通り。

  • 出資元:東京地下鉄株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役社長:小坂彰洋)
  • 出資先:ダンデライオン・チョコレート・ジャパン株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役:堀淵清治)
  • 出資額:1億円
  • 出資目的:(仮称)千石駅周辺エリアのにぎわい創出と魅力向上

 ダンデライオン・チョコレートは今秋、千石エリアに新たなファクトリー&カフェを出店する予定だ。新拠点は(仮称)千石駅の美術館通り周辺に位置する。

 (仮称)千石駅は、有楽町線延伸により2030年代半ばに開業する計画。両社は同駅の開業に向けて連携を深めるとともに、地域住民とも協力しながらまちづくりを推進していく方針を示している。

 ダンデライオン・チョコレートの公式サイトはhttps://dandelionchocolate.jp/

 
 

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