岡田氏
サプライチェーン全体で生産性を上げる
海外から日本に旅行で訪れるお客さまが年間4200万人を超え、日本の観光産業はまさに成長著しい基幹産業となってまいりました。今後も増え続ける観光需要に着実に応えるためには、有為な人材が集まるハイレベルな産業に成長してゆく必要があります。
一方で、人手不足は日本の全産業で顕在化しており、特に観光・宿泊業においてはその傾向が顕著です。私どもは、主に旅行業の立場から統合的にDX化を推進し、観光産業のサプライチェーン全体で生産性を押し上げる体制づくりを目指し、2025年10月に協議会を設立しました。
特に、観光産業の業者間取引(B2B決済)については、いまだにFAXを使った請求書によるまとめ払い精算などが散見され、支払う側受け取る側双方にとって大きな業務負担が生じています。現在のテクノロジーを活用してさまざまな効率的運用システムが多数存在することはご承知のとおりですが、問題は個社ごとにさまざまな方式が林立することで結局は双方生産効率を引き上げるに至らないことだと思われます。
そこで、当協議会では添乗員がツアーに持参する添乗金のキャッシュレス化に着目し、これを突破口にしてサプライチェーン全体でB2B決済のキャッシュレス化を推進することに致しました。現在添乗員費対策分科会を結成し、本年中に協力自治体を巻き込み実証実験を実現すべく準備を進めているところです。
この取り組みでは、参画する旅行会社がツアーを通じて媒介する観光地のさまざまな施設、例えば飲食店、神社仏閣、お土産屋、駐車場、観光・宿泊施設などでの利用代精算を、参加する各旅行会社が全て同じ方式で行うことを想定しています。
参画する各団体・施設が統一方式による精算を行うことで今までにはなかったメリットを引き出し、実運用に向けての課題抽出を行い、観光産業の将来への問題提起につなげてまいります。
現在当協議会には、日本を代表する大手旅行会社を中心に関連業界団体、サプライチェーンに属する各種団体や決済事業者など約45社程度が参画し、開かれた議論の場を作っております。
今後さらに観光産業に属する多くの企業・団体に参画していただき、全てのプレイヤーの生産効率が高まる仕組みを早期に作り上げてゆきますので、読者の皆さまの中でもご関心をお持ちの方はぜひ協議会ホームページから、お問い合わせいただければ幸いです。

岡田氏




