先日、香港を訪れた際に、香港国際空港と市内を結ぶ専用鉄道「エアポートエクスプレス(機場快線)」を利用しました。
飛行機で空港に到着し、手荷物を受け取って到着ロビーに出ると、すぐ前方にエアポートエクスプレスのホームがあります。上下移動や長い連絡通路を歩く必要がなく、同一平面上ですぐ列車にアクセスできる、機能的な構造です。
空港駅には乗車時の改札口がありません。「オクトパスカード」という現地のICカードを持っていれば、事前のきっぷ購入や座席指定の手続きをすることなく、そのまま列車に乗り込めます。精算は降車駅である九龍駅や香港駅の改札にタッチするだけです。
列車はおよそ10分間隔で運行されています。車両は8両編成で、車内には大型スーツケースを収納できる専用の荷物置き場が各所に設置されていました。座席は固定式クロスシートで、空いており、座席を確保する苦労はありません。
運行中の列車は静かで、揺れも少なく快適です。最高時速は135キロと速く、途中駅が少ないこともあって、安定した高速運転が続きます。
予定通り、24分で終点の香港駅に到着しました。香港駅は、市内で航空会社のチェックインができる「シティ・エア・ターミナル」の機能を備えており、タクシー乗り場への動線も分かりやすく設計されています。
地下鉄の中環(セントラル)駅へ乗り換える際は、連絡通路を10分ほど歩く必要がありますが、動く歩道やバリアフリー設備が整っているため、負担はそれほど大きくありませんでした。
エアポートエクスプレスの運賃は、香港駅まで130香港ドル(約2600円)です。並行して走る一般の地下鉄路線の約5倍という価格設定で、高額ですが、この運賃によってガラガラでも採算がとれ、「すぐに乗れて、座れる」というサービスを提供できているのでしょう。空港アクセスの速達性と快適性を担保するための仕組みといえます。
日本の空港アクセス鉄道はいつも混雑していますし、有料特急は指定席券購入の手間がかかります。
香港のエアポートエクスプレスのようなものを、今から日本で作るのは難しいですが、少しでも空港アクセスの輸送力と快適性を高める施策を期待したいところです。
(旅行総合研究所タビリス代表)




