【地域創生と観光ビジネス97】開業から半年の「ジャングリア沖縄」に行ってみた 千葉千枝子


 沖縄北部やんばるのテーマパーク「ジャングリア沖縄」を訪ねた。昨年7月の開業から半年がたつが、筆者にとっては初訪である。USJを再興させた”マーケティングの神様”が手がけた施設だけに鳴り物入りで開業したが、その後の醜聞も気になった。なぜ、そこまでたたかれているのか。真相を確かめたいという思いもあって、チケットを買った。

 すると前夜の飲み会で、「私も一緒に行きたい!」と那覇在住の女性たちが手を挙げてくれた。地元の人たちも、まだ訪れていないようだ。翌朝、県庁前からレンタカーに乗って、わいわいにぎやかに出発した。

 沖縄道が一部、工事で渋滞が予想されたので、国道58号線を、海を眺めながらゆっくり北上することにした。本島西海岸は、80年代以降、開発が進み、ラグジュアリーホテルが集中する。恩納村周辺を久しぶりに通ると、さらに新設のホテルが建ち並んでいてリゾート感が増していた。

 途中、名護からは、大型の観光バスが行き交うには狭いと感じられる道を進む。その先に看板がみえた。3月下旬の日曜午前、駐車場は比較的、空いていた。

 これなら巨大気球「ホライゾン バルーン」に乗れるだろう。ナビゲーターと呼ばれるスタッフに入園ゲート付近で記念撮影をしてもらって乗り場へ向かうと、整理券は「すでにない」と言われて意気消沈した。先着順配布のため、朝の開門から走って獲得する状況らしい。

 それからは、東京ドーム13個分という広大な敷地のなかを、マップ片手に歩き回った。無計画のままに訪れたことを反省した。

 炎天下でなかったのが、せめてもの救いだ。日ざしを遮るものがなく、並ばず入れる施設やアトラクションが少ない。

 レストランが混み合うだろうと到着後すぐに、「パノラマダイニング」をスマホ予約した。運よくテラス席を用意してもらったが、鳥の巣のような”ネスト席”で食べている人たちを、私たちが眺めて食べる格好に。それでも多少の満足感に浸ることができた。

 温浴施設「スパ ジャングリア」へは、駐車場の一角からの送迎バスを利用する。自分の車で移動すると、駐車料金が別途かかることになる。

 メディア対象の招待でなく、自腹での訪問だったので、あえて辛口で批評する。さまざま課題は山積で、イメージ向上には相応の努力を要するだろう。多言語表記や待ち時間のインフォメーションが乏しく、さらにスタッフの多くが比較的、高齢だったのも気になった。今後の集客や施設の維持管理、雇用の確保など多難であるのは間違いない。視察お披露目会の続投で広報的な話題はこと欠かないが、不確実性もぬぐえない。ヨイショ記事を今は書くことができず、お許し願いたい。

 沖縄北部の山原3村は、世界自然遺産に登録され、今後の沖縄観光経済において重要エリアの一つである。テーマパークありきでなく、自然資源を活用したツーリズムをさらに整備・発信して、そのなかにジャングリアが位置するよう将来絵図を描いていくことも重要だ。近ごろは「沖縄美ら海水族館」との連携で周遊チケットが発売されたばかり。頑張れ!ジャングリア。

 (観光ジャーナリスト・淑徳大学経営学部観光経営学科教授 千葉千枝子)      

 
 
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