地図と読む 日本の街道 金田章裕・今尾恵介著
日本人が古来より歩いてきた道、街道。本書は、日本の各地にある街道の地理的、歴史的な変遷を、多彩な地図と写真とともにたどる一冊だ。宿場と人々、そこを訪れる旅人の姿などを、時代に沿った構成で丁寧に解説している。地図や地理関連の本を多数執筆する著者ならではの視点で読み解く、まさに悠久の時を旅する一冊である。
本書は、古代から近代に至るまで、時代ごとに章が分けられている。「1章 古代・平安からの道」では古代東海道や飛鳥の道、「2章 中世からの街道」では鎌倉街道や熊野古道、「3章 近世からの街道」では東海道をはじめとする五街道や「奥の細道」、「4章 近代への道」では街道から鉄道への移行や参詣鉄道といったテーマを扱う。
著者の一人である金田章裕氏は「はじめに」で、本書が対象とするのは、江戸時代に整備された五街道のような道だけではないと述べる。「近世以来の街道のみならず、街道とは呼ばれていなかった、それ以前からの道をも取り上げたい」としており、古代の官道(駅路)から、中世のしばしば湾曲し途絶えることもあった道、そして近代の交通手段の変化に対応した道へと、その実像と魅力に迫っていく。
また、参詣道、塩の道、鯖の道、四国遍路道など、文化と暮らしに根ざした道も掲載。歴史の道を旅する魅力を多角的に紹介している。
著者は、人文地理学・歴史地理学を専門とする京都大学名誉教授の金田章裕氏と、地図研究家として知られる今尾恵介氏。それぞれの専門的な知見が融合し、深みのある内容となっている。
A5判176ページ、定価1,980円(税込)。
発行=地図情報センター、発売=帝国書院。





