事業統治(ガバナンス)の体制を形骸化させないためには、意思決定の場である取締役会や経営会議、幹部会議に、厳格な運用ルールを設ける必要がある。まず徹底すべきは、役職や血縁に関わらず、主観ではなく客観的な事実に基づいて発言する文化の醸成である。旅館・ホテルは血縁を重視した経営を行うことが多いが、その親密さがルール運用に甘えを生む原因になりやすい点には、細心の注意を払いたい。
過去に不祥事を起こした企業の再建事例を見ても、その多くが異論を許さない空気を打破し、経営判断に対して第三者が再検証できるプロセスを導入することで信頼を回復している。経営トップの指示であっても、資料の事前配布を行い、その決定が将来どのような負の側面を招きかねないかという懸念点や副作用を必ず洗い出した上で、多角的な議論を経る仕組みが欠かせないのである。
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