帝国ホテル京都・祇園にホテル開業 坂田玲子総支配人に聞く「人とサービスの質が強み」


文化財「弥栄会館」を改築

 京都・祇園(京都市東山区)に3月5日、帝国ホテル京都が開業した。新規開業は30年ぶりで、東京、上高地(長野)、大阪に次いで4カ所目となる。これに先立つ同月2日、報道関係者を対象とした内覧会が行われた。


国の登録有形文化財「弥栄会館」を改修

 ホテルは芸舞妓の舞踏公演が行われる祗園甲部歌舞練場の敷地内にあり、国の登録有形文化財「弥栄会館」の外観や意匠を継承する形で増改築した(地上7階、地下2階建て)。

 55の客室のうち8室が帝国ホテルとして初めてとなる畳敷きの部屋に。地下1階のプールと、京都のまち並みを一望できる屋上のバーは宿泊客限定だが、7階のバーは一般客も利用できる。

 宿泊料金は1泊16万4500円(2人1室、宿泊税別)から。1室しかない最上位のインペリアルスイートは128平方メートル、テラス65平方メートルの規模で300万円となっている。

 5日の開業式典には文化庁の都倉俊一長官ら約100人が出席した。

   ◆   ◆

 開業にかける思いを坂田玲子総支配人に聞いた。

 ――弥栄会館は国の登録有形文化財ですが、増改築にあたってご苦労もあったのでは。

 「市には厳しい景観整備条例があり、祇園町南側エリアでは高さ12メートルまでの建築物しか建てられません。弥栄会館は高さ31.5メートルありますが、建物の一部を保存・活用してホテルとすることで従来の高さを維持することができました。また、外壁タイルは全体の約10%にあたる約1万6千枚を生け捕り(損傷を与えずに取り出す手法)して保存、再利用するなど、大切なものは残していく方針で臨みました。客室数は55。レストランとバーが全4店舗のホテルです」


坂田総支配人

 ――最上位スイートは1泊300万円ですが、平均価格帯は。

 「変動要素はありますが、3月は開業月ということもあり約30万円。5月になると、京都はダイナミックプライシングで日々価格が変動し、最安値で17万円ほどの価格設定となります」

 ――宿泊客のターゲットは。

 「会員、顧客の皆さまには引き続きご利用いただきたいと思っていますが、私どもの強みは祗園という特別な地に建っていること。海外からのお客さまを含め、この地に滞在すること、そして文化的な建築物を継承している(施設だ)という価値に共感されるお客さまにぜひお越しいただきたいと考えています」

 ――帝国ホテルの強みは。

 「サービスであり、人です。これまでも、お客さまに育てていただきながらサービスの質の向上に取り組んできました。京都でも、お客さまや地域の方々に育てていただきながら取り組みを進めてまいります」

 ――帝国ホテルは女性管理職を積極的に登用しています。坂田さんの総支配人就任もその一環ですか。

 「光栄なことですが、女性だから抜擢したということではなく、お客さまに寄り添う姿勢が帝国ホテル京都の目指すサービスと調和すると期待していただいたと思います。帝国ホテル上高地の総支配人も女性です。話をいただいた時は緊張しましたし、できるだろうかと不安もありました。しかし、祇園の女将さんや芸妓さんらから『思う存分頑張って』という温かい言葉が背中を押してくれました」

 【内井高弘】

 
 
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