トリップアドバイザー株式会社は3月17日、訪日旅行における旅行者の興味や意思決定プロセス、地方観光への関心、AI活用の実態を明らかにした「2026年版インバウンドレポート」を発表した。
調査は2025年11月27日から12月16日の期間中、今後12カ月以内に訪日旅行を計画しているアメリカ、イギリス、オーストラリア、韓国、中国、台湾の旅行者計3025名を対象に実施された。
「何を体験するか」が旅先選びの核心に
旅行計画の出発点として、「体験」や「旅行スタイル・テーマ」「特定の観光地」をもとに旅行先を決める旅行者は37%に上り、先に旅行先を決定する旅行者の29%を上回った。
85%が訪日旅行の旅程を「厳選された体験を中心に組み立てる」と回答。75%が「日本ならではの体験」が予約の決め手になったと答えた。茶道や酒蔵見学、寿司作り、桜・紅葉・雪景色といった四季を感じられる自然など、「唯一無二かつ象徴的な体験」が訪日旅行選択の核心にあることが明らかになった。
同社が1月に発表した2026年旅行トレンドでも、ペット同伴旅行の予約が前年同期比260%増、抹茶・茶道体験が同280%増、地元ガイドなど現地の人と関われる体験参加が同38%増といった結果が示されており、体験・学び・人とのつながりを求める傾向が裏付けられている。
地方への関心は高く、88%が「ゴールデンルート外」に意欲
旅行者の88%が東京・京都・大阪以外の地方を訪れることに関心を示し、86%がゴールデンルートを外れた地方を少なくとも1つ追加する可能性が高いと回答した。
関心の高い地域は九州が36%でトップ。次いで北海道と東北がそれぞれ30%となった。
地方を訪れる決め手としては「その地域ならではのユニークな体験」が34%と最多で、アクセスの良さ(18%)、家族・友人のおすすめ(17%)、SNS(16%)、旅行ガイド・ブログ(14%)を大きく上回った。
一方、地方訪問の障壁として以下の3点が挙げられた。
- 母国語による情報不足やコミュニケーションの壁
- アクセスが困難・交通に関する情報不足
- 旅程や手配に関する不安や地方ごとの具体的な体験情報の不足
訪日旅行者の89%「時間指定入場や オフピーク利用への追加料金を支払う」
オーバーツーリズムへの対応についても、旅行者側の意識が明らかになった。
訪日旅行者の68%が日本の主要観光地の混雑に懸念を示した。89%が「混雑緩和のための時間指定入場やオフピーク利用に追加料金を支払ってもよい」と回答。70%が「訪問税や文化遺産保護のための追加料金に賛成する」と答えた。
AI活用が拡大、最終判断は「口コミ」
AIは、訪日旅行の計画において「以前に比べ有力となった情報元」としてSNSに次いで2位となり、従来の公式観光サイトやオンライン旅行代理店を上回った。
64%がAIツールは旅行計画において高い影響を与えていると回答した一方、最終的な予約決定段階では90%の旅行者が口コミを重要視すると答えた。
トリップアドバイザーでエンタープライズセールスアジア太平洋地域ディレクターを務めるスコット・ウェゲナー氏は次のようにコメントしている。
「今回の調査では体験主導型旅行の本格化や意思決定におけるAIと口コミの多層構造が明らかになりました。トリップアドバイザーでは旅行者がより快適に口コミを検索したり旅行を計画できるよう、AI旅行計画ツールなどの実装を進めているほか、Semrushが2025年6月に実施した調査によると、トリップアドバイザーはAI検索結果で最も引用される旅行ガイドプラットフォームであることが分かっています。Viatorを擁するグローバルな体験マーケットプレイスを基盤に、トリップアドバイザーは価値ある体験の発見から予約までを包括的に支援できる独自の立場を確立しており、AI時代においても、信頼性の高い口コミと体験情報を提供し、ユニークな体験を求める訪日旅行者と日本の観光地をつなぐ役割を果たしてまいります」
トリップアドバイザーは世界最大の旅行ガイドプラットフォームで、10億を超える口コミと意見が投稿されている。Tripadvisor LLCはトリップアドバイザー・インク(Nasdaq: TRIP)の完全子会社。




