経営トップの独走を抑え、後継者が誤った道に進まぬよう組織を正しい方向へ導くには、社長の側近として機能する参謀の存在が不可欠である。ここでいう参謀とは、単に実務に長けているだけでなく、社会の規範や客観的なリスクを社長に進言し、軌道修正を促せる人物を指す。
旅館・ホテル経営においては、業界団体や地元の知人、あるいは学生時代からの旧知の仲といった、情緒的で距離の近い人脈に頼って重要な決断を下してしまう場面が少なくない。また、社長のもとへ直接持ち込まれる業者からの提案も、他者の目が入らない密室での判断になりがちである。こうした個人的なつながりに重きを置いた内輪の論理は、時に冷静な判断を曇らせ、後々に深刻なトラブルを招く火種となる。経営者の思いや人間関係という主観的な領域に対し、数字と論理、そして社会的な正当性という尺度を当てはめることができる第三者の視点が必要とされている。
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