森トラスト株式会社が開発した「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」は3月17日、「第24回長崎市都市景観賞(大きな建物部門)」を受賞した。
1898年に修道院として建てられた洋館を全面改修し、ホテルとして活用した同物件。長崎市都市景観賞は、長崎の歴史や文化を生かした魅力ある都市景観の形成に寄与した建築物や活動を顕彰する制度で、建物単体のデザインにとどまらず、周辺環境との調和や地域文化の継承、街並み形成への貢献なども評価対象となっている。
同社の発表によれば、今回の受賞は「歴史的建造物を保存・活用し、外国人居留地の面影が残る南山手地区の街並みと調和したホテルとして整備した点が評価された」ものだという。

所在地と歴史的背景
ホテルが立地する長崎市南山手地区は、明治期の外国人居留地の面影を残す地域で、現在は重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
建物は1898年に修道院として建築。以来、女子校、米軍宿舎、児童養護施設、幼稚園など、長年にわたりさまざまな用途で地域に親しまれてきた。その前身である「マリア園」は1998年、「第10回長崎市都市景観賞(歴史のある建物部門)」を受賞した実績を持つ。

保存と耐震補強の両立
今回のプロジェクトで特に注目されるのが、外観の保存と現代的な耐震補強を両立させた施工だ。
修道院としての姿を現代に伝える建物入口のミカエル像はそのまま残された。レンガ造りの外観を保つため、細心の注意を払いながらレンガに鉄筋を挿入し、建物内部には鉄骨フレームを新設して耐震補強を実施した。
聖堂については、近隣の大浦天主堂でも採用されている特徴的なリブ・ヴォールト天井やステンドグラスを当時のデザインのまま保存・復元。レストラン「Restaurant Cathedréclat(カテドレクラ)」へと改修された。

長崎の歴史・文化を体感できる館内デザイン
館内デザインには、長崎の歴史や文化をモチーフとして取り入れている。
廊下のカーペットには長崎の石畳の路地やレンガをイメージしたデザインを採用。客室には、出島のオランダ商館長の館「カピタン部屋」に着想を得たインテリアを導入し、長崎が歩んできた異文化交流の歴史を感じられる空間を創出した。ロビーには長崎更紗をイメージしたモザイクタイルや、出島の海岸線から着想を得たラグが配置されている。
同社は「地域外の方が訪れ、時間を過ごすホテル空間という特性を活かし、宿泊体験を通じて地域の魅力を感じ、何度でも訪れたくなる場所にしていきたい」としている。

施設概要
- 正式名称:ホテルインディゴ長崎グラバーストリート
- 総支配人:丹羽秀之
- 開業日:2024年12月13日
- 所在地:長崎県長崎市南山手町12番地17
- 客室:全66室(26㎡〜67㎡)
- アクセス:長崎駅からタクシーで約8分
- 設備:本館 地上3階(地下1階)、北館 地上3階。本館地下1階にフィットネスジム、1階にフロント・ロビー・ラウンジ・レストラン「Restaurant Cathedréclat」・駐車場
ウェブサイト:https://nagasaki.hotelindigo.com
森トラスト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:伊達美和子)は、日本の都心部における大型複合開発や、全国のホテル&リゾート事業を手掛ける総合不動産ディベロッパー。国内外52棟のビル・住宅・商業施設(2025年3月時点)と、37ヶ所のホテル・リゾート施設(2026年3月時点)を展開している。




