川口氏
訪日誘客に向け、地域に貢献
観光経済新聞社は2月19日、観光業界の有識者を招いたオンラインセミナー「観光経済新聞チャンネル」の第52回配信を行った。訪日富裕層のガイドツアーなどを展開する奥ジャパンのゼネラルマネージャー・川口浩司氏が、「ツーリズムを通して地域の課題を解消する―熊野古道支店と中山道妻籠宿支店の活動について―」と題して講演。地域の環境保全や文化保護など、同社の貢献活動を紹介した。
同社は2005年に前身の会社がロンドンで創業し、15年に京都府に本社を設立。コロナ禍を経て、現在は約70人の社員が在籍する。国内14地域で、最大13人までの少人数制ガイド付きツアーと、セルフガイドウォーキングツアーを提供している。特に後者は、同社が10年に国内で初めて導入。現在、主なツアー顧客は欧米の富裕層が中心で、教授や経営者、医師などが多いという。
川口氏は同社のツアー造成について、観光地の「認知度」、宿泊や交通などの「機能性」、そして江戸時代の街道文化や地域とのふれあいなどの「物語性」―の3要素を組み合わせて行うと説明。現在は熊野古道と中山道妻籠の支店で、積極的な地域貢献活動を展開していると報告した。
その代表例として、妻籠宿での中山道トレイルメンテナンスや神社保護の役務請負、熊野古道での森林保全活動や地域の子供たち向けの英会話教室運営などを紹介。特に英会話教室は「将来、観光業などで英語を使った仕事をしたいと思うかもしれない」と、川口氏は将来を見据える。
地域活動で築かれた信頼関係は、地元の宿泊施設が協力的に部屋を確保してくれるなど、事業にも好影響をもたらしており、「サステナブルツーリズムを実践している旅行会社として、このような小さな活動が、日本国内だけでなく世界に誇れるモデルとなれば」と締めくくった。

川口氏




