【にっぽんの温泉100選特集】あわら温泉 施設それぞれに源泉、合計で74本 「よるもうで」など新企画も


三薬師をまわる「よるもうで」

 福井県の最北部に位置するあわら温泉(あわら市)。農民がかんがい用に井戸を掘ったところ、約80度の温泉が湧出したのが始まりで、開湯から143年を迎える。鉄道の開通で温泉地として発展し、昭和2年には「日本百景」選定の温泉11カ所の一つにも選ばれるなど、「関西の奥座敷」として愛されてきた。

 あわら温泉の最大の特徴は源泉の多さで、その数はなんと74本。源泉の集中管理を行わずに旅館施設がそれぞれ源泉を持っているため、宿ごとに泉質や源泉の温度などに微妙な違いがあり、各宿の個性を楽しめる。宿泊客には「あわら温泉満喫チケット」を使った温泉の湯めぐりもおすすめだ。

 中京、関西からの団体客を多く受け入れてきたあわら温泉だが、近年は個人客に向けた取り組みも加速。まちづくり団体や観光協会が「あわら温泉屋台村湯けむり横丁」の整備やランチ・スイーツめぐりクーポンの企画など、温泉まち歩きを楽しめる仕掛けづくりをすすめ、25年度の「にっぽんの温泉100選」では23位から7位にジャンプアップするなど、旅行のプロからも注目を集めている。

 昨年9~11月には、市を挙げて「あわら湯のまち みらいプロジェクト」に取り組んだ。提灯(ちょうちん)をレンタルしてライトアップされた三薬師の神社をめぐり、シールを集めると提携店舗で特典を受けられる企画「よるもうで」や、北陸一上質な芦湯(あしゆ〈足湯〉)を併設する湯のまち広場でのカフェ出店やマルシェの実施、観光案内やまち歩きの拠点となる「湯~わくStand」の設置など、観光客も市民も歩きたくなる温泉地を目指した社会実験を行った。よるもうでは参加者の8割以上から高評価を受けたことから、今年は夏ごろから来年3月まで実施する計画だ。


あわら温泉の「芦湯」


三薬師をまわる「よるもうで」

 北陸新幹線の敦賀延伸によって、芦原温泉駅までは大阪から最速2時間弱、東京からは乗り換えなし3時間弱でつながったあわら温泉。県内随一の人気を誇る県立恐竜博物館には車で約1時間、温泉街から直行バスも運行する。県内外への好アクセスから北陸観光の拠点としても便利だ。

 2月にはRakuten STAY あわら温泉が開業、昨年11月には市と星野リゾートが連携協定を締結した。市内の遺跡「宮谷石切場跡」が神秘的なスポットとして注目を集めるなど、新たな動きもあり、あわら温泉からまだまだ目が離せない。

 
 
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