ホテル浦島
楽天モバイルは、全国の宿泊施設に総合的なDXソリューションを提案している。モバイル回線にとどまらず、高速インターネット回線、多機能トランシーバーアプリ、AIサービスなども提供している。DXを通じた業務効率化と付加価値創出でお宿のエンパワーメントを推進する楽天モバイル。その取り組み事例を3回シリーズで紹介する。
人手不足と高齢化の課題をAIで打開
和歌山県那智勝浦町に位置する浦島観光ホテル株式会社。洞窟温泉「忘帰洞」で知られる県内最大級のリゾートホテル「ホテル浦島」を運営している。地域観光の中心的存在である同社だが、近年は人手不足や従業員の高齢化という課題に直面していた。
「都会よりも働き手の不足が大きな課題です。高齢化も進み、持続的に事業を展開していくには、今が変革のタイミングだと考えていました」と代表取締役社長の松下哲也氏は語る。
この課題を解決するため同社が注力したのがDXを通じた業務効率化と付加価値創出だ。その一環として導入されたのが「Rakuten AI for Business」。AIによるメール対応や口コミ返信の効率化、さらに社内文書作成支援まで、現場の声を取り入れながら活用が進められている。

松下社長
多言語対応の壁を突破
浦島観光ホテルでは、「Rakuten AI for Business」を単なる業務効率化のツールとしてではなく、現場の声に寄り添った「実践的な支援役」として活用している。中でも大きな成果を上げているのが、増加する海外からの宿泊客への多言語対応だ。
「AI導入前は語学堪能なスタッフが専属で対応していましたが、どうしても人材の限界がありました」と営業本部長の竹本政寿氏は振り返る。「導入後は、AIの翻訳精度が非常に高く、そのままお客様にメールが送れるレベルの文章が生成できるようになり、スタッフの負担が大幅に減りました」
この結果、従業員はより多くの時間をホスピタリティ強化に使えるようになり、サービスの質も高まったという。言語の壁を越える効率的な顧客対応を実現した好例だ。

Rakuten AI for Business
口コミ返信がスピードアップ
宿泊業界において口コミへの対応は顧客満足度に直結する重要な業務だ。しかし従来は返信文を考える時間が取られ、効率面での課題があった。
「口コミはただ返すだけでなく、次のお客様の満足につなげる重要な要素です。ただし文章を考えるのに時間がかかり、返信が後手に回ることもありました」とホテル浦島支配人の福田昌史氏は説明する。
「Rakuten AI for Business」導入後は、AIが返信文を提案してくれるようになったことで、短時間で多くの口コミに対応できるようになった。「1時間の空き時間でも10件、20件と効率的に返信できるようになりました。結果として対応スピードが上がり、お客様への信頼感や満足度の向上につながっています」と福田氏は成果を語る。
社内文書作成の負担軽減
業務効率化の面では、日報や社内提出資料などの文書作成においてもAIが大きく貢献している。表現に迷うことで時間を要していた業務が、「Rakuten AI for Business」の導入によって大幅に改善された。
フロント係長代理の明田恵美氏は「業務で必要な報告書や提出書類を書くとき、言葉がなかなか思いつかず時間がかかることがありました。AIが的確な文例や表現を提案してくれるようになってからは、その一部を取り入れるだけでスムーズに仕上げられます」と話す。
文書作成にかける時間が減った分、顧客対応に集中できるようになり、業務全体のスピードアップにつながっている。AIによる文例提示が安心感をもたらし、業務効率化を支えている事例だ。

Rakuten AI for Business
DXで目指す次のステージ
浦島観光ホテルはDXをさらに推し進め、業務効率化とサービス品質向上を両立させる次のステージを見据えている。副社長の大塚陽介氏は「現状、レストランでは料理の残量を目で確認し、調理場へ伝えるのが当たり前ですが、AIカメラを使えばもっとスムーズにできるはず」と未来像を描く。
また「サイネージを災害時に避難誘導に活用できれば、安全性の面でも非常に価値のある仕組みになります」と、安全面での活用も視野に入れている。
松下氏は「例えば、事前に来訪されるお客様の国や年齢層をAIで分析して、発注やメニューに反映できるようになれば、食材の調達や調理業務も最適化されます。中国人のお客様が多い日は少し辛めの料理を増やす、子供が少ない日は子供メニューを外すといった調整も自動で可能になるでしょう」と、AIを活用した運営最適化の可能性について語る。
一方で「どのホテルもAIを活用できる時代になったときに差別化の鍵になるのは人間の力です。気配り・目配り・心配りといった人にしかできない”おもてなし”が、最終的な付加価値になるのだと思います」と、テクノロジーと人間のおもてなしの両立の重要性を強調する。

経営再建とDXの両立
浦島観光ホテルの取り組みの背景には、経営面での課題もあった。新型コロナ禍や設備老朽化の問題を乗り越えて経営再建の途上にある中、現場では人員不足と従業員の高齢化によって少数のスタッフに業務が集中していた。
「DXを進め、生産性を高めることが不可欠でした」と松下氏。「新たなデジタル技術を導入した後にどうなるのかが最初から明確でなければならない。経営者の視点で好展開が見えること、そして実際に使う現場スタッフやお客様にとって”わかりやすく丁寧”であること。そこを一番重視しました」
こうした取り組みを実現するために、楽天モバイルは「Rakuten AI for Business」を中心に据えた包括的なサービスを提案。導入支援から運用まで全力でサポートしている。「DXを軸に、お客様と並走して課題を解決するパートナーを目指しています」と、楽天モバイル株式会社 エンタープライズソリューションビジネス本部 ソリューションセールス部の本多氏は語る。「今回はRakuten AIの導入を支援させていただきましたが、今後は”おもてなしと感動体験”のさらなる発展に向けた環境整備をお手伝いできれば」と今後の展望を示した。
「Rakuten AI for Business」は、法人専用の高セキュリティ環境で安心して利用できる生成AIサービスだ。メール対応や文書作成、翻訳など幅広い業務を支援し、業務効率化と顧客満足度向上を同時に実現する。導入や教育サポートも整っており、DX推進を加速させたい企業にとって最適なソリューションとなっている。
浦島観光ホテル株式会社は1956年12月に設立。和歌山県東牟婁郡那智勝浦町勝浦1165-2に所在し、宿泊業、飲食サービス業を事業内容としている。

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