アメリカがイランを攻撃し、最高指導者ハメネイ師が死亡したとのニュースが流れた。子供を含む一般人の死亡者も多数出たとして、国連安保理でも問題になった。米軍が駐留する中東の国や、私も先月訪れたアラブ首長国連邦(UAE)のドバイにもミサイルが撃ち込まれた。とても美しい近代的な街にも、世界一巨大な空港にも、不似合いの爆弾が打ち込まれた。ホルムズ海峡を隔てた対岸の出来事である。
イランがホルムズ海峡を閉鎖するとの情報が流れた。原油輸送のタンカーの航路であり、日本にとっても大きな影響があると心配されている。今後どのような展開になるかは注視する必要がある。いずれにしても、少なからず、イラン近隣諸国への渡航自粛が考えられる。観光は平和の上に成り立つものであり、世界の平和を願わずにはいられない。
1月の訪日外国人は中国からの渡航減少もあり、前年を下回る結果となった。大移動の時期で春節のある2月も、中国からの減少は続き同様に対前年を下回るものと思われる。
しかし、都心の電車の中は大きいスーツケースで通路や出入り口に所狭しと置かれ、とても大変な状況である。日本製の器具道具民芸品などは日本製のブランド力とクオリティの高さもあり購買意欲をそそっている。さらに、日本の飲食店はおいしさも格別であり、円安効果でとても安く感じられている。そして、大きな経済効果につながっている。
一方で、宿泊料金はインバウンドに引っ張られる形で値上がりしており、同時に需要と供給のバランスの上にあり金額の波動も激しい。1月の平日に京都駅前で1万円程度であったが、同じタイプの部屋が2月には2万円、そして4月の桜が見ごろと思われる時期では5万円である。奈良県の桜の吉野にほど近いホテルは、見ごろの日程では10万円になっている。日本人の一般庶民は付いていけない金額である。日本人の国内旅行が伸び悩む要因の一つである。
さすれば、インバウンド客の誘致は重要な観光政策となる。都市型観光、特定地域のみに集中している現状から、あらゆる地方の田舎への動きをつくる必要がある。地方の魅力を精査し、磨き上げ、その情報発信が必要になる。
その上、日本の食や酒は大きな観光誘客ツールである。つまりは、徹底した地産地消が不可欠である。カロリーベースの食料自給率が38%のわが国ではそれも厳しい環境にある。しかし、地産地消に徹することこそ、その土地に足を運ぶ意義になる。
観光によりもたらされた地域外貨獲得が、ノルウェーのサバやオーストラリアのオージービーフなどの外国輸入食品を使うことになるなら、それらの輸入相手国を利し、その国の発展に貢献することとなる。わが国の食料自給率向上や1次産業の後継者問題が課題となる中、その課題の解決に向かう政策を講じなければ観光の未来は開けない。
観光は平和産業であるとともに、食を通して1次産業とも密接に関わっている。地方創生につながっており、大局観が求められている。




