【VOICE】「食品ロス削減」に向けた意識変革を 日本ホテル協会SDGs委員会委員 日本ホテル顧問エグゼクティブアドバイザー/SDGs担当 松田秀明氏


松田氏

食べ残し持ち帰り、mottECO
普及活動への取り組み

 食品ロス削減のための食べ残し持ち帰り「mottECO」をご存じでしょうか。環境省等が提唱する、ホテルや飲食店等で食べきれなかった料理を「お客さまの自己責任で」持ち帰る取り組みの愛称です。政府は30年度までに事業系食品ロスを20年度比で60%削減する目標を掲げており、mottECOはその重要な施策の一つとして位置付けられ、関係省庁が協力し、食中毒のリスクや注意点をお客さまに説明した上で持ち帰りを推奨しています。

 消費者庁によると、食品ロスによる経済損失の合計は4・0兆円、温室効果ガス排出量の合計は1050万トン―CO2(23年度食品ロス量(464万トン)を基に推計)に達します。食品ロスは、経済、環境、社会への影響が大きな喫緊の課題であり、このような社会的な課題には産官学民での連携が求められてきます。まずはしっかり食べきっていただくことが大切ですが、それでも残ってしまった場合、食べ残し持ち帰りは非常に効果が高いといわれています。

 当協会でもSDGs委員会を中心に、いち早くこの社会的な問題に取り組み、会員向けのmottECO勉強会の開催や、広報誌での特集、mottECO FESTAへの後援等により、会員への推奨と情報提供を継続的に行い、食べ残し持ち帰りの導入が広がりつつあります。消費者庁と厚労省が24年12月に策定した「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン」は、持ち帰りに関する事業者と消費者の責任の明確化や、食中毒などが発生した場合の法的責任の整理、衛生面でのリスクの低減を図ることなどを目的としており、これはホテル・飲食業界の懸念を解消し、取り組みを加速させるためのものです。日本ホテル協会はこのガイドラインの策定にも協力しており、安全な持ち帰りを促進するための留意事項や消費者に求められる行動を整理することで、食品ロス削減に向けた意識変革と行動変容を目指しています。

 昨年12月から消費者庁等で始まった、外食時の「おいしい食べきり」全国共同キャンペーンでは、外食時にお店で食べるときのポイントとして、料理の量を選べるお店や食品ロス削減に配慮したお店を選ぶことや、どうしても食べきれない場合は持ち帰ろうと提言。これからのホテル運営は、環境に配慮した上での運営が当たり前の時代に突入しているということを再認識の上、mottECOの普及活動を展開していきます。

 私どもホテル業界としても、こうした活動を通じてSDGs達成に貢献するサステナブルな経営を実践し、お客さまや多様なステークホルダーから信頼され、評価される存在になれるよう努めてまいります。


松田氏

 
 
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