何で捨てないの?と家族中からひんしゅくを買っていたモノがある。それは、炊飯器。その子はまだ使えたが、内釜が所々ハゲてしまい、サスガに何とかしなきゃマズイだろうと。だが、機種が古すぎて内釜だけを買うことができず、炊飯器自体丸っと買い替えたのだ。それでも、きっと役立つ時が来るハズと信じ、筆者はこっそり部屋の片隅に古い子をかくまっていた。
新ピカの子は、しばし人気の的であった。それで炊く銀シャリのおいしいことといったら! やっぱり最近の炊飯ジャーはスゴイね、なんて言いながら、白いご飯中心の献立を楽しんだ。だが、人間は欲深い。そのうち銀シャリ生活に飽きて、今度は炊き込みご飯が食べたくなってくるのだ。
洋風のピラフを炊く時には鍋を使うが、丸ごとトマトや丸ごとブロッコリー、丸ごとタマネギなんかを炊き込む場合は、やっぱり圧力がかかる炊飯器に軍配が上がる。でも、個人的に許容範囲はその辺りまで。イマドキの炊飯器は造りが繊細だから、フタの裏側まで洗えたとしても、匂いや汚れの着きやすい食材を入れるのには抵抗がある。
例えば、筆者のチキンライスの作り方は、低温調理した鶏肉を、鶏のだしで炊いたご飯に載せるという段取り。炊飯器なら、お米と鶏肉、水と調味料を入れ、スイッチオンだけででき上がるのだが、毎日お米を炊く炊飯器に、生の鶏肉を入れるのもなぁと思ったりする。鯛(たい)めしを炊くにも、翌日まだ炊飯器が生臭いんじゃないか?と、ついつい鍋で炊いてしまう。炊飯器にクッキングシートをセットして、おかずとご飯同時調理なんていう動画をSNSで見かけるが、勇気あるなぁ、と感心しちゃう。
でも、炊飯器を活用すればタイパになるし…なんて時に、隠し持っていた古い子が役立つのだ! 炊飯器お任せイッパツ調理で、結構いろいろな料理ができると分かった。豚の角煮や鶏肉の照り煮など、煮物はお手の物。火加減を気にしなくても、放っておくだけで良いのはうれしい限り♪
サツマイモでん粉の韓国春雨を使ったチャプチェも簡単。春雨は戻さずそのままイン! 牛肉や野菜と調味料を入れ、早炊きモードでスグできる。パスタも炊いてみた。2人分程度ならうまくいくけれど、それ以上だとパスタがくっついてしまう確率が高い。
逆に大人数にピッタリなのが、ひき肉700グラムくらいの巨大ハンバーグ! タイパ重視だからタマネギは粗みじん切りを生のまま入れる。ボウルなんか使わない。内釜に材料全てをぶち込んで練るだけ。超簡単? ハンバーグを一つずつ成型する地味に面倒な作業が省かれる上、爆速下ごしらえで大判ケーキ状態のハンバーグが! 内釜を斜めにして肉汁を出し、それでソースを作る。その間も保温してくれるから、冷める心配もない。お皿にハンバーグをひっくり返してソースをかければ、あらステキ♪ 家族からも拍手喝采。
炊飯器スイッチオンで、爆速ご飯。ぜひお試しあれ。
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。




