IHG、ハイアット、マリオットと連携 「バンタン外語&ホテル観光学院」開校へ


 KADOKAWAグループ傘下で、バンタンデザイン研究所、バンタンゲームアカデミーなど全13スクールを運営する株式会社バンタン(東京都中央区、木村良輔社長)は2月3日、「バンタン外語&ホテル観光学院」を2027年4月に開校すると発表した。27年4月に東京校(定員200名)と大阪校(定員100名)を開校。28年4月に名古屋校を開校する。

 東京校には高等部(3年制)、専門部(2・3年制)、大学部(4年制)を設置。東京校の場合、高等部の定員は50名(国際ホテル観光専攻、英語・コミュニケ―ション専攻、韓国語・コミュニケーション専攻)、専門部は定員100名(同)、大学部は定員50名とした。全専攻、基礎科目として英語を学習。第二外国語では中国の選択も可能だ。

 KADOKAWAグループのインターネット通信制高校である「N高等学校」「S高等学校」と同オンライン大学「ZEN大学」とのカリキュラム連携により正規の卒業資格も得られる。バンタン外語&ホテル観光学院は、海外留学支援の「スマ留」運営のリアブロードと提携。3年間のカリキュラムのうち1年間をワーキングホリデーで働きながら英語を学び、実践的な語学力を習得しながら、稼いだお金を学費に充当し、授業料の総額を抑える。ワーキングホリデーは、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドのいずれかで行う。

 IHGホテル&リゾーツ、ハイアットグループ、マリオット・インターナショナルとも提携。各ホテルグループから講師の派遣を受けるほか、国内ホテルでのインターンシップを行う。ワーキングホリデー先での就労先として各ホテルグループが協力することも検討されているという。

 

「経済的理由で留学を断念」という課題を解決

 株式会社バンタンによると、高校生の約80%、大学生の約84%が「経済的な余裕がない」ことを理由に留学を断念しているという。また、国内の観光・ホスピタリティ業界では、インバウンド需要の回復に伴い、語学力と多文化対応力を備えた人材の確保が急務となっている。世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)の将来予測では、2035年には国内の観光産業で約211万人規模の人材不足が生じる可能性があると試算されている。

 「バンタン外語&ホテル観光学院」は、これらの課題を解決するため、ワーキングホリデーを教育カリキュラムの中核に位置づける。具体的には、2年次にオーストラリアやカナダ、ニュージーランドなどでワーキングホリデーを実施。学生は現地で働きながら語学力を向上させ、その収入を生活費や学費に充当することで経済的負担を軽減する仕組みだ。

 バンタンの木村良輔社長は「世界で一番、社会に近いスクールを創る」というビジョンを掲げ、「現役プロフェッショナルによる実践教育を展開する」と語った。

バンタンの木村良輔社長

 

他校より学費が安く、一般的な留学に比べコスト削減

 同校のプログラムでは、オーストラリアでのワーキングホリデーを例にすると、1年間で約355万円の収入が見込まれる一方、現地での費用は約323万円。差し引き約32万円のプラスとなり、他の留学プログラムに比べて経済的な負担が大幅に軽減される計算だ。

 バンタンが試算したところによると、4年間の総学費は393万9375円(併修大学学費含む)となり、海外留学を実施している一般的な大学の学費(A大学:710万5000円、B大学:666万円)と比較して大幅に安くなるという。

 

 

「ワーキングホリデー」から「ワーキングスタディ」へ

 従来のワーキングホリデーには「就労先が見つからない」「語学力が伸びない」「就職に結びつかない」という3つの課題があったと同社は分析する。これらの課題を解決するため、「ワーキングスタディ」という新しい枠組みを設計した。

 具体的には、生徒の英語レベルや意向に合わせた就労先の紹介、日本での語学授業で基礎を固めてから渡航する仕組み、カリキュラムの一部として組み込むことで就職活動に遅れが出ないようにする工夫などを盛り込んでいる。

 また、現地でのサポート体制も充実させ、空港送迎、ビデオ通話機能/チャット機能(24時間対応)、トラブル対応、医療機関の紹介、緊急時の現地駆けつけなどを行う予定だ。

 

国内外の一流ホテルチェーンと連携

 同校は、IHGホテルズ&リゾーツ、ハイアットグループ、マリオット・インターナショナルという3つの国際的なホテルチェーンと提携。これらのホテルの現役スタッフが講師として授業を担当するほか、国内のホテルでのインターンシップも実施する。

IHG・ANA・ホテルズグループジャパン最高執行責任者の飯沼潔人氏

 

 IHGホテルズ&リゾーツからは、ANAインターコンチネンタルホテル東京、インターコンチネンタル大阪、ホテルインディゴ東京渋谷などが、ハイアットグループからはハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄、ハイアットセントリック銀座東京、パークハイアット京都などが、それぞれインターンシップの受け入れに協力する。

 

ハイアットグループの田中まゆみ氏

 ハイアット セントリック銀座東京の人材開発部長兼日本・ミクロネシア地区統括人事部長の田中まゆみ氏は、「ハイアットは『We care for people so they can be their best(思いやりの心で相手の「最高」を導き出します)』を体現することで、将来のホテル業界を担う人材、グローバルで多様な視点を持つ人材の育成を目指します」と述べた。

 

マリオット・インターナショナルの大野 裕子氏

 また、マリオット・インターナショナルの日本地区採用担当部長・大野裕子氏は、「国内のマリオットインターナショナルでは、ザ・リッツ・カールトン、ブルガリホテル、ウェスティンをはじめとする複数のブランドで、これまで多くの学生インターンシップを受け入れてきました。ブランドごとに文化やサービススタイルが異なるため、学生の皆さんには幅広い経験を積んでいただくことができ、将来のキャリア形成にも大きな学びとなっています」と期待を寄せた。

 

ワーキングホリデー先での就労をサポート

 同校は、海外留学支援の「スマ留」を運営する株式会社リアブロードとも提携。同社の神田慎代表取締役社長兼CEOは発表会の中で、「現地での仕事探しは留学生にとって最大の不安要素です。本提携では、渡航前から就労先とのマッチングをサポートすることで、その不安を根本から解消。学生が本来の目的である『学び』と『経験』に集中できる、安全で確実な環境を提供します」と説明した。

 ワーキングホリデー先での就労先としては、オーストラリアではシェラトン・グランド・ミラージュ・ゴールドコースト、ハイアット・プレイス・メルボルン、カナダではフォーシーズンズ・リゾート・ウィスラー、シャングリラ・ホテルなどが予定されている。

リアブロード社長 神田慎氏

 

高等部は短期留学を実施

 高等部では、年齢制限のためワーキングホリデーは実施せず、約3ヶ月間の短期留学を行う。留学先は、英語圏のニュージーランド(クライストチャーチ)または韓国(大邱)の高校。留学期間中は現地の高校に通い、現地の同級生と同じクラスで学ぶことで、語学力だけでなく異文化理解や主体性も育むとしている。

 

バンタンのブランド力を活かし人材育成

 バンタンは1965年に創立され、これまでに約21万人以上の卒業生を輩出してきた実績を持つ。現在、全国に13スクール、18校舎を展開し、在校生は9,172名(2025年4月時点)。KADOKAWAグループの一員として、「世界で一番、社会に近いスクールを創る」というビジョンのもと、実践的な教育を提供している。

 木村社長は、「日本の人口減少、インバウンド対応人材の不足、経済的理由で留学を諦めている若者の増加という社会課題に対し、海外での学びをお金の心配なしで叶える新しいスクールを開校する」と述べた。

【kankokeizai.com 編集長 江口英一】

 
 
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