JTBは1月21日、三重県伊勢市の「ゼロ距離水族館伊勢シーパラダイス」において、デジタルアートを活用した新たな伊勢参り体験を提供するプロモーション事業を3月1日から開始すると発表した。伊勢夫婦岩パラダイスとの共同プロジェクトで、NTTアートテクノロジーとネイキッドが展示企画および映像制作に参画する。

「浜参宮」から始まる由緒ある伊勢参りを再発見
このプロジェクトは「ISE Digital ART PROJECT」と名付けられ、「祈りの海、光の道 ~時を越え受け継がれる伊勢の旅~」をテーマに展開される。古来より伝わる「浜参宮(はまさんぐう)」および伊勢神宮への由緒ある参拝ルートの認知度向上を目指す。
「浜参宮」とは、伊勢神宮(外宮・内宮)へ参拝する前に、二見興玉神社で禊(みそぎ)を行う古くからの習わし。二見興玉神社で禊を行い、外宮、内宮の順で参拝するのが丁寧な参拝方法とされている。

令和15年神宮式年遷宮に向けた観光課題への対応
令和15年(2033年)に予定されている「神宮式年遷宮」に向け、今後国内外から伊勢市への来訪者増加が見込まれている。しかし現状では、観光客は伊勢神宮、特に内宮周辺に集中する傾向があり、来訪者の滞在時間や観光消費額の向上が地域全体の課題となっている。
JTBはこうした状況を踏まえ「ISE Digital ART PROJECT」を立ち上げた。二見浦での「浜参宮」から始まる由緒ある伊勢神宮参拝ルートの文化的価値を、デジタルアートを通じて再発見・訴求する狙いがある。これにより、観光客の動線を伊勢市広域に拡大し、滞在時間の延伸と観光消費額の向上を目指すとしている。
水槽と映像が融合する没入型体験
プロジェクトの中核となるのは、「浜参宮」の起点である二見興玉神社に隣接する「伊勢シーパラダイス」の大水槽上部に投影されるデジタルアート作品だ。
内容は、伊勢信仰における「海」の重要性や、江戸時代に多くの人々が夢見た「お伊勢参り」の賑わいを、ストーリー性豊かに描き出すという。また、二見浦での「浜参宮」から始まり、禊を経て外宮・内宮へ向かうという歴史的な参拝ルートを作品の流れの中で紹介し、伊勢に受け継がれる祈りの旅の意味をより深く感じられる構成となっている。
実際の海の生き物が泳ぐ水槽と壮大な映像・音楽が一体となることで、来館者は「まるで歴史を追体験するような臨場感に包まれ、伊勢の旅の本質に迫る特別な時間をお楽しみいただける」としている。
各社の役割分担で総合的な観光DX推進
このプロジェクトにおける各社の役割は明確に分担されている。JTBはプロジェクト全体の統括、プロモーション、関連旅行商品の企画・販売を担当。ゼロ距離水族館伊勢シーパラダイスは施設提供と現地運営を行う。NTTアートテクノロジーは伊勢に関連した文化財選定、デジタル化およびそれを活用した展示企画を担当。ネイキッドは水族館での多数の実績を活かした、ストーリー性のあるデジタルコンテンツの企画・制作を手がける。
3年ごとの更新で持続的な観光振興へ
本事業は、令和15年(2033年)の式年遷宮までの継続的な取り組みとして計画されており、3年ごとのコンテンツ更新が予定されている。将来的には、外宮から内宮に至るエリアから、鳥羽、志摩に至る広域周遊事業展開も視野に入れ、伊勢志摩全体の持続可能な観光振興に貢献することを目指している。




