【テツ旅、バス旅 125】近鉄特急「しまかぜ」 鎌倉 淳


 正月は家族で伊勢神宮に初詣に行きました。名古屋から近鉄特急「しまかぜ」の利用です。出発は10時半ごろで、到着は12時前。早めに食事を済ませるにはいい時間帯です。

 「しまかぜ」にはカフェが付いていて、軽食メニューもあります。そのため、昼食はカフェで取ろうかとも考えたのですが、子連れなので、満席で入れなかったら大変です。結局、名古屋駅で駅弁を購入して、座席で食べました。食事後、息子とカフェの様子をのぞいてみると、空いています。これならカフェにすればよかったと後悔しましたが、もうおなかはいっぱいで、後の祭りでした。

 新幹線や特急から食堂車が消えて久しいですが、「しまかぜ」のように、一部の観光列車では、車内にカフェを設けて供食サービスを行っています。それは素晴らしいのですが、実際に利用するとなると、今回のように「席に座れるか」「食事が売り切れていないか」といった不安が頭をよぎるものです。

 家族連れやグループの場合、食事ができないと全体の予定が狂うので、結局、事前に弁当を買って乗ることになり、カフェへ足が向きづらいのが実情です。

 一人旅なら、ダメならダメで諦めればいいので、その点では利用しやすいでしょう。ただ、一人でカフェに入るのは意外と敷居が高く、テーブルやカウンターを占拠するのに気が引けるものです。

 そう考えると、せっかく素敵なカフェを用意しても、ターゲットは限られていて、営業的には厳しくなってしまうでしょう。実際、筆者が乗車した日の「しまかぜ」は満席でしたが、カフェの利用者は多くなさそうでした。

 利用者として望むのは確実性です。乗車したら確実に席に座れて、確実に食事にありつける。その保証があれば、駅弁を買わずに安心して乗車して、カフェを利用できます。

 そのためには事前予約ができるといいですし、アプリでカフェの空席待ちができるようにすれば、安心感が高まります。

 あるいは、東海道新幹線のグリーン車で導入しているようなモバイルオーダーサービスを活用して、客室で注文すれば持ってきてもらえるような仕組みもほしいところです。

 列車内での食事は、いまや貴重な機会です。それを体験できる列車も貴重で、いつまでも残ってほしいもの。より使いやすくなることを期待します。

(旅行総合研究所タビリス代表)

 
 
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