JTBとアクティバリューズが提携、宿泊業界DXに向け3000施設導入目指す


 JTBは1月20日、株式会社アクティバリューズと資本業務提携契約を締結した。宿泊事業者の「旅マエ」から「旅アト」までを一体で支援するトータルソリューションを実現し、旅行者と事業者双方に新たな体験価値を提供する。両社の技術・サービスを組み合わせた展開により、累計約3000施設への導入を目指す方針だ。

分断されたシステムをつなぐ

 提携の背景には、宿泊業界における課題の多様化がある。個々のニーズに対応したソリューション導入が進む一方、システムやデータの分断が運営高度化の制約となっている現状。この状況を打開するため、事業者の運営形態や課題に応じて柔軟に選択でき、かつ相互に連携する「モジュール型の一体的な仕組み」の整備が求められているという。

 JTBグループは長期ビジョンに基づき、宿泊事業者向けソリューションの高度化と、旅行者の体験価値向上を推進。消耗品や装備品などの運営基盤サービスに加え、決済ソリューションや各種SaaSなどの運営支援サービスを相互連携させ、多様なサービスをシームレスにつなぐ共創を拡大する方針だ。

業務提携の内容

 今回の提携は大きく三つの内容からなる。

 第一に、販売・導入支援の強化。Kotozna In-roomに加え、アクティバリューズが提供するデジタルソリューションを組み合わせることで、宿泊事業者の運営高度化と旅行者の体験価値向上を支援する。また、テレビインフォメーションと「VERY」を連携した館内情報の一元化、ランドリー設備との連携による利用状況の可視化など、現場利便性とおもてなし品質を同時に高める取組みを推進する。

 第二に、連携基盤の拡充。JTBデータコネクトHUBを介して、アクティバリューズの「talkappi」「VERY」とPMS連携を拡大する。具体的には、予約情報のシームレス連携によるスムーズな事前チェックイン、滞在中のサービス利用ステータスの自動更新、客室での宿泊代金等の精算など、フロント・客室・レストランを横断した一体的な宿泊オペレーションを実現する。客室での宿泊代金等の精算については、JTBクレジットカード一括加盟店決済サービスを組み込むことで、高付加価値型の決済体験を提供する。

 第三に、新サービスの共同推進。アクティビティ、飲食、交通など地域の多様な事業者を対象とした「VERYトラベルマーケットプレイス(仮称)」を共同企画。宿泊事業者を起点に、予約前から滞在中までのタイミングで、観光・体験・飲食など旅の目的となる魅力を効果的に訴求し、地域全体の観光体験をアップデートする。これにより、旅行者の満足度向上のみならず、観光消費の拡大と地域経済への波及を促進していく。

宿泊事業者の課題に対応

 JTBとアクティバリューズが今回共創するソリューションは、宿泊業界が直面する多様な課題に対応している。

 「旅マエ」においては、ホームページ情報更新の負担、多岐にわたる問い合わせ対応、煩雑な予約対応や事前手配といった課題に対し、talkappi PAGE、JTB Book & Pay、talkappi CHATBOT、TL-Lincoln、INCHARGE 7、満室御礼、talkappi INQUIRY、talkappi ORDERなどのソリューションを提供する。

 「旅ナカ」では、多岐にわたる館内案内、チェックイン業務の効率化、滞在中の予約受付・客室注文・土産販売、チェックアウト業務の効率化といった課題に対し、VERY、talkappi PAGE、talkappi INQUIRY、talkappi ORDER、kotozna in-room、JTBクレジットカード一括加盟店決済サービスなどを提供する。

 「旅アト」においては、時間のかかる忘れ物の問い合わせ対応、手荷物の受付対応・配送伝票の代筆、アンケートの回収率向上・集計業務の負担といった課題に対し、JTBデータコネクトHUB、Assist、Future V、MACRA、SNIT、NEHOPS(2026年予定)、talkappi SURVEYなどで解決を図る。

地域観光の活性化も視野に

 今回の提携による「VERYトラベルマーケットプレイス」の共同企画は、宿泊施設に留まらず地域全体の観光体験の向上と、地域経済の活性化に貢献することを目指している。宿泊事業者を起点に、入場施設、観光地、遊園地・テーマパーク、オプショナルツアー、体験、ガイドツアー、アクティビティ、チケット、お土産店、飲食店、駐車場、タクシー・レンタカーなど、旅行者の「旅マエ」と「旅ナカ」の両方において多様なサービスをつなぎ、日本の観光産業の持続的な発展を支援する。

 JTBは「交流創造事業」を事業ドメインとし、地域やエリアの持続的な発展を目指して、継続的な「交流」を生む仕組みづくりに取り組んでおり、宿泊事業者向けデジタルサービスでは、地域への誘客の核となる宿泊事業者の課題に着目し、経営や事業を支援するソリューションを提供していく。

 一方、アクティバリューズは「テクノロジーで旅の感動と観光の未来を創る」というミッションのもと、省人化DX、予約・販売、顧客データのマーケティング活用を軸に、観光・宿泊施設向けに多様なソリューションを提供。今後も、機能の拡張とサポート領域の拡大に注力し、日本の伝統的なおもてなしの精神を大切にしながら、最新のITやAI技術を活用して宿泊・観光業界の課題解決とゲストエクスペリエンス向上に取り組んでいく。

 
 
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