【専門紙誌5社共同企画】各紙誌の視点で見る「女性による地方創生」 塗料報知 女性の活躍、各地で進む 学校や建設現場と連携拡充


福岡県久留米市の建設現場を興味深く見学

 日本建築仕上学会女性ネットワークの会は、建築分野における女性の活躍推進を目的に、全国各地で教育・啓発・体験型の活動を積極的に展開している。近年は各地域の学校や建設現場と連携した実践的なプログラムが拡充されており、建築の魅力を若い世代や地域住民に伝える取り組みが特色となっている。

 まず大阪では、大阪市阿倍野区の桃山学院高等学校にて、2018年から継続して塗装体験のボランティア活動を実施している。2024年12月18、19日の活動では、同校1年生22人が参加し、校内環境改善を目的とした「リメイク活動」を行った。生徒自身が候補箇所を選び、女性ネットワークの会の運営委員や担当教諭とともに改修場所を決定。2024年度はエントランス周辺のガラス戸や手すり、下駄箱周りの壁、鉄扉などを対象とし、色選定もWEBを用いた事前打ち合わせで生徒と協議するなど、主体的な参加を促す仕組みが特徴であった。

 塗装体験ではさび落としから養生、下塗り、上塗りまでの工程を実践し、建築仕上げの重要性を体感した。特にアクセントカラーの採用では、同会元副会長で「大改造!!劇的ビフォーアフター」の匠として活躍した川口とし子氏の助言を取り入れ、デザイン理解を深める機会となった。

 九州では、2025年9月8日に福岡県久留米市で初めての建設現場見学会を開催した。対象はJR久留米駅前で進む大規模再開発で、36階建て住宅棟を中心にPCa工法、ALCパネル、石こうボード等を用いた最新の建築技術を学ぶ内容であった。参加者15人の多くは建設資材メーカー関係者で、工事用エレベーターで14階まで上がり各階を巡る工程を通じ、断熱材吹き付け方法や壁内部構造、免震装置など普段見る機会の少ない技術を体験した。

 見学後には、けんちくけんせつ女学校代表理事・籠田淳子氏による「女性活躍推進」に関するセミナーを開催した。籠田氏が経営するゼムケンサービスでの具体的な取り組みや、外国人材の戦力化に向けた施策も紹介され、参加者にとって参考となる内容であった。

 閉会のあいさつでは、田島ルーフィング福岡営業所に勤務する女性が「九州では女性が気軽に参加できる現場見学会が少ないのが現状である。今後もこのような機会が増えることを願っている」と語った。

 これらの活動に共通するのは、女性のみならず若者や地域住民に建築の現場を開き、技術と社会をつなげる姿勢である。体験型・参加型の学びを重視し、建築やものづくりの魅力を広く伝えている点が、女性ネットワークの会の地方活動の大きな特徴といえる。

 今後も各地域での継続的な展開が期待される。

 (塗料報知)


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