【VOICE】道の駅から広がる地域観光 田原観光情報サービスセンター 専務取締役 長神利行氏


長神氏

農泊と文化で魅力発信

 株式会社田原観光情報サービスセンターは、平成3年に地域の商工会・農協・漁協が出資し設立された会社です。以来30年以上にわたり、地域に根ざした観光拠点として活動してきました。現在は渥美半島・田原市内の三つの道の駅の指定管理を担い、観光案内や旅行企画、地域産品の販売など幅広い役割を果たしながら、地域の魅力を発信しています。

 愛知県の南端に位置する渥美半島・田原市は、全国有数の農業王国です。温暖な気候と豊かな自然環境を背景に、花や野菜、果物の生産が盛んであり、市内最大の道の駅「田原めっくんはうす」には、早春のイチゴ、夏のメロン、全国有数の出荷量を誇るキャベツやブロッコリーなどを求めて、県内外から年間百万人以上のお客さまにお越しいただいています。私たちはこうした来訪者と地域をつなぐ拠点となるため、産直販売にとどまらず、6次産業化による商品開発や旅行事業の展開など、常に時代に応じた新しい挑戦を重ねてきました。

 近年は、観光庁から地域DMO(観光地域づくり法人)として認定を受け、さらに田原市農泊推進協議会と田原市文化遺産地域活性化実行委員会を立ち上げ、地域が主体となった観光まちづくりを進めています。農泊推進協議会では、地元漁師や農家と協力した体験プログラムの造成、訪日外国人に向けた貝食文化紹介リーフレットの作成、あさりの押し寿司(ずし)の商品化などを実施し、「食と農」を体験するプログラムを磨き上げてきました。一方で、文化遺産地域活性化実行委員会では、田原凧や田原まつりといった地域の文化資源を観光コンテンツとして活用し、「文化を通じた誘客」を目指しています。地域の人が主体となった農泊と文化の両輪で渥美半島の魅力を発信しているのです。

 コロナ禍があけて、渥美半島への来訪者数は回復基調にあり、道の駅の売り上げや利用者数も増加しています。一方で、運営体制や人材育成、安定財源の確保といった課題は依然として存在します。だからこそ、地域住民・行政・事業者が一体となり、持続可能な観光の仕組みを築くことが不可欠です。

 地域主体の観光まちづくりは、訪れる人にとっては地域の食や文化、暮らしに触れる感動をもたらし、住民にとっては地域の誇りを再発見する機会となります。私たちは今後もその一翼を担い、「地域資源を磨き、地域の皆さんが主役となる観光」を推進し、農泊と文化を軸に国内外から選ばれる渥美半島の実現を目指してまいります。


長神氏

 
 
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