中国当局、Trip.comグループを独禁法違反の疑いで調査開始 同グループが公式声明発表


「市場での支配的地位を乱用」と指摘、同社は「全面協力」を約束

 トリップドットコム・グループ(携程集団)は14日、中国国家市場監督管理総局(SAMR)が同社を独占禁止法違反の疑いで調査を開始したことについて、次の声明を公式発表した。

【当社事業運営に関する現状のご説明】

 この度は、本件に関しましてご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。中華人⺠共和国国家市場監督管理総局(SAMR)による調査開始を受け、当社は本調査において SAMR と積極的に協力し、すべての関連法規および規制を厳格に遵守するとともに、業界関係者との連携を継続し、健全かつ持続可能な市場環境の醸成に取り組んでまいります。なお、当社の事業運営は通常どおり行われております。今後も世界中のユーザーおよびパートナーの皆さまに対し、高品質な製品およびサービスを提供することに引き続き尽力してまいります。

 

Trip.com Group

In response to the investigation in China initiated by the State Administration for Market Regulation (SAMR) of the Peopleʼs Republic of China, the Company will actively cooperate with SAMR throughout the investigation, strictly comply with all regulatory requirements, and continue to collaborate with industry stakeholders to foster a healthy and sustainable market environment.

Our business operations remain normal. We remain fully committed to providing high-quality products and services to users and partners worldwide.

Trip.com Group

 

当局は「市場での支配的地位乱用」を調査

 海外メディアによると、中国国家市場監督管理総局は14日、ホテルや航空券の予約サイトを運営する旅行大手、携程集団に対して独禁法違反の疑いで調査を始めた。同総局は「市場での支配的地位を乱用した」と指摘している。

 この発表を受け、ニューヨークと香港に上場する同社の時価総額は約80億ドル(17%)減少した。同社は声明で「調査に積極的に協力し、監督上の要求を履行する」としている。

手数料引き上げや価格介入が問題視か

 海外メディアによると、当局は一方的な手数料引き上げなどを問題視したとみられる。同社に対しては以前から「ホテルから価格決定権を奪っている」といった批判の声が出ていたという。

 特に、携程の内部アルゴリズム「調価助手」は、他社サイトの料金を監視し、携程掲載価格が常に最安となるよう自動的に調整する仕組みになっていると指摘されている。このシステムにより宿泊業者が実質的に価格の自由を失い、携程側が市場価格をコントロールする構造が形成されてきたとの見方もある。

過去1年間で業界から多数の苦情

 海外メディアによると、立件に至る背景として、過去1年間に地方監管部門や宿泊業界団体、企業などから多数の苦情が寄せられたことがある。苦情は主に、携程集団などのオンライン旅行プラットフォーム(OTA)が宿泊施設に対して「どちらか一方を選べ」と取引制限を強いたり、独自のアルゴリズムで自動的に料金を操作したりしていたという内容だった。

 特に「決定打」となったのは、昨年11月に雲南省旅游民宿業界協会が公表した一部OTAによる不公平な条件提示に関する告発文書だとされる。同協会の賀双全会長は、携程の営業担当が「特牌」と呼ばれる特選ホテルに対し、他プラットフォームでの販売を中止するよう口頭で求めた事例があったと指摘している。

 また、昨年夏には貴州省や河南省鄭州市の市場監管当局が相次いで携程集団を呼び出して是正を求めていた。

市場シェア56%の「独占状態」

 トリップドットコム・グループ(携程集団)は、トリップドットコムやスカイスキャナー、Ctrip、Qunarなどのブランドを有する大手旅行会社だ。同社は過去10年間にわたって買収を重ね、支配力を強めてきた。現地メディアによると、2024年時点で同社の宿泊・旅行分野の市場シェアは56%と他社を大きく引き離している。

 中国の独占禁止法では、経営者の市場シェアが2分の1に達した場合、経営者が市場を支配する地位にあると推定すると規定している。これに基づけば、同社は「独占状態」にあるといえる。

「第三波」のプラットフォーム規制か

 中国では2021年に電子商取引(EC)大手のアリババが、2022年にフードデリバリーサービスの美団が、それぞれ当局の独禁法関連の取り締まりを受けている。現地メディアは今回の動きを「主要インターネットプラットフォーム独占規制の第三波」を象徴するものと位置づけている。

 また、単なる取引制限にとどまらない「アルゴリズムによる支配」という新段階の監管事例としても注目されている。

一部制度の修正も

 携程集団は監督強化を受けて今月上旬に一部制度を修正し、アプリ上で宿泊施設をランク付けする「金牌」「特牌」の表示を廃止したとされる。しかし、一部取引先からは「単に隠しただけで、実質的には何も変わっていない」との声も出ているという。

 携程集団は声明で、全ての事業が通常通り運営されていると説明している。

 
 
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