JTB、2035年に向け長期ビジョン発表 グローバル展開で売上総利益5000億円へ


 JTBは1月15日、2035年を見据えた長期ビジョン「OPEN FRONTIER 2035」を発表した。「高い専門性と洞察力で世界をつなぎ、つくり、つなげ、感動と幸せで人々を満たす『新』交流時代のフロンティア企業」を目指す姿として掲げ、売上総利益5000億円、営業利益750億円という意欲的な財務目標を設定した。

創立114年の知見を生かし「新」交流時代をリードへ

 長期ビジョン策定の背景には、地球規模の環境変動や人口構造の変化、生成AIをはじめとする技術の急速な進展がある。JTBによれば、これらの変化は「移動、情報・データ、意思決定」のプロセスを刷新し、社会システムの再構築を促しているという。

 同社は、交流のあり方が根底から変化し、既存のビジネスモデルの見直しが加速する一方で、AI時代においても交流が社会的価値を生み出す上で重要な役割を担うとの認識を示している。

 JTBグループは創立から114年にわたり培ってきた洞察力と専門性を「交流創造Intelligence」として企業競争力の中核に位置づけた。これは「洞察力」と「専門性」という2つの軸で構成され、洞察力には市場予測力や情報収集力、顧客理解力が、専門性には顧客基盤・パートナー基盤・ソリューション、プロデュース力、現場対応力が含まれる。

4つの変革ポイントで事業構造を転換

 新ビジョンでは4つの変革ポイントを設定。「グローバル」では事業活動を世界へ展開し、エリアの魅力創出はグローカル視点で行うとした。「ビジネスモデル」ではIP・アセットを保有する事業主体型へ移行し、収益獲得モデルをフロー型からストック型を組み合わせたものへと転換する。

 「情報・データ」ではAIを用いた情報基盤構築によるインサイト進化と、情報の透明化・体系化による形式知化を進め、「カルチャー」では多様性・公平性・包摂性・帰属意識(DEIB)の推進により多様性と調和を目指すとしている。

 事業展開にあたっては、4つの事業戦略区分を策定。個人向けの「Global Tourist Solution」、法人向けの「Global Business Solution」、地域向けの「Global Area Solution」、ツーリズム産業全体に向けた「Global Tourism Intelligence」だ。

 この戦略的布石として、同社は2025年8月に世界最大級のツーリズム産業特化型BtoBメディア「Northstar Travel Group」の株式を譲り受け、高信頼データとグローバルネットワークを獲得している。

2035年に向け財務目標を大幅引き上げ

 JTBは2035年度の財務目標として、取扱額2兆5000億円(2024年度実績1兆6838億円)、売上総利益5000億円(同2937億円)、営業利益750億円(同149億円)、売上総利益営業利益率15.0%(同5.0%)を掲げた。

 この目標達成に向け、事業ポートフォリオを大きく変革する。グローバル比率を2024年の1.0%から2035年には50.0%に引き上げ、ストック型比率も同期間に1.0%から30.0%へと拡大する。

 投資戦略では、持続的成長のために優良資産形成へのキャッシュ再投資を進め、事業活動を通じて将来のキャッシュフロー創出サイクルを確立するとしている。

地域コミュニティ支援の基金を設立

 サステナビリティ面では、「心豊かなくらし」「人々をとりまく環境」「パートナーシップ」の3つのマテリアリティを設定。2025年6月には「サステナブル取引方針」を策定し、2035年にはサステナビリティに取り組む事業パートナーとの取引割合を63%とする目標を定めた。

 さらに2026年4月には「JTBソーシャル・コミットメント・プログラム みらい交流創造基金」を設立し、地域コミュニティの保全や保護に関する活動を支援する。歴史的建造物や祭事などの有形・無形文化財の保護・活用、自然環境の再生・保全、オーバーツーリズム対策などが支援対象となる。

 JTBは「交流の価値は、AIエージェントがビジネスを創出し社会のあり方が大きく変化する時代において、ますます高まっていく」と指摘。交流をより深く、広範な価値へと昇華させることで、ツーリズム産業の可能性を広げ、社会に新たな価値を生み出すフロンティア企業として進化していくとしている。

 
 
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