中部運輸局は、岐阜県中津川市と共同で「中山道馬籠宿」を訪れる訪日外国人旅行者を含めた観光客に向けたマナー啓発のための実証事業を1月7日から実施する。インバウンドの増加に伴う観光地でのマナー違反や混雑等によるオーバーツーリズムの課題に対応する取り組み。観光庁が作成した「観光ピクトグラム」を活用し、宿場内での観光マナーの啓発を行う。実証期間は2月15日までの約40日間。
ピクトグラムを活用した啓発活動

実証事業では、観光客の増加に伴い顕在化している店内への持ち込み飲食、ごみのポイ捨て、写真撮影のための私有地への侵入といったマナー違反に対応するため、宿場内および公共交通機関での啓発活動を実施する。具体的には、宿場の景観に合わせた観光マナー啓発看板の設置や、店舗における食べ歩きのまま入店禁止を示すピクトグラムのステッカー掲示などを行う。
観光庁が作成した観光ピクトグラムは、観光客への禁止事項や推奨行動を図式化したもので、私有地への立ち入り禁止や割り込み禁止などを視覚的に分かりやすく伝えるツール。言語の壁を越えて国内外の観光客に適切な行動を促す狙いがある。
バス内でのサイネージ活用も
啓発活動は宿場内だけにとどまらない。路線バス内のサイネージにて訪日外国人旅行者向けのマナー啓発動画を放映するほか、バス停の時刻表や看板には「未来のための旅のエチケット」を掲示。「Know your destination(目的地を知ろう)」「Respect cultural assets(文化資産を尊重しよう)」「Dispose of trash responsibly(ゴミは責任を持って処理しよう)」「Travel smart and travel light(賢く、身軽に旅しよう)」といった推奨行動を伝える。
地元高校との連携
実証事業初日の1月7日には、岐阜県立坂下高等学校の地域活性化プロジェクトとの連携も予定されている。同校の生徒たちは、馬籠宿を訪れる観光客の旅の安全と観光マナー啓発を呼びかけるために「お守り」を制作。この「お守り」は馬籠観光協会へ贈呈されるとともに、観光客にも配布される。
お守りには二次元コードが印刷されており、これを読み取ると外国人旅行者向けのマナーがオリジナルのイラストで表示される仕組み。地域の若い世代も巻き込んだ取り組みとなっている。
実証による効果検証
中部運輸局は今回の実証事業を通じて、観光ピクトグラムなどを活用したマナー啓発による「利用者の観光マナー理解向上及び行動変容」を検証する。国内外からの観光客が増加する中、持続可能な観光地づくりに向けた取り組みの一環だ。
実証期間は2024年1月7日から2月15日までの約40日間。この間の観光客の反応や行動変化をもとに、効果的な観光マナー啓発の手法が模索される。




