【観光関連団体トップ 新年あいさつ】持続可能な観光業界の確立を 全国旅行業協会 会長 近藤幸二


近藤会長

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。わが国の旅行・観光業界の発展にご尽力されている皆さまが、輝かしい新年をお迎えのことと存じます。

 観光業界が「持続可能な成長」へとかじを切る1年と位置づけた昨年は、大阪・関西万博の開催という歴史的なイベントに彩られ、国内外から多くの交流が生まれました。インバウンドは、コロナ禍前の水準を上回る活況を呈し、その訪問先も地方へと着実に広がり、国内旅行においても、人々の生活の中に「旅」が確固たる地位を取り戻し、堅調な需要が持続いたしました。

 この1年、人手不足やコスト高、そして近隣諸国を含む不安定な国際情勢といった極めて厳しい経営環境の中にあっても、地域の隠れた魅力を掘り起こし、独自の体験プログラムを造成するなど、「質」の向上への挑戦が各地で見受けられました。この高付加価値化に向けた変革への第一歩を、私は非常に心強く感じております。

 本年は、昨年から始まった変革を、業界全体に定着させ、加速させていく1年としなければなりません。そのためにも、個々の旅行業者が単なる手配代行者として、従来のビジネスモデルに安住することなく、お客さまのニーズを深く掘り下げ、地域と密着し、新たな価値を創造し、見いだす存在へと、自らを変革していく必要があります。

 われわれが目指す高付加価値化とは、地域の伝統や文化を守り育てるサステナブルツーリズムの推進と一体不可分です。地域の自然環境や生活文化が損なわれてしまえば、観光資源そのものの価値が失われてしまうからです。旅の恩恵が、旅行者や旅行業者だけでなく、地域の隅々まで行き渡り、その地域の誇りにつながるような、「三方よし」の好循環を生み出すことが重要です。当協会でも、日本全国が観光の恩恵を享受できるよう、関係機関と協力しながら、オーバーツーリズムを解消し、旅行者の「地方分散」が実現するよう取り組んでまいります。

 当協会では、引き続き観光地との連携を密に図り、共栄共存の道を明示してまいります。本年2月11日には、奈良市で「第20回国内観光活性化フォーラムinなら」を開催いたします。本フォーラムは、全国のANTA会員並びに観光関係の皆さまが一堂に会し、「建国の地 奈良からふたたび」のスローガンのもと、奈良県の観光魅力を掘り起こし、送客の促進を図る大会となります。本フォーラムが旅行業者の新たな旅行商品造成のきっかけになるとともに、奈良県の持続的な繁栄の一助にすべく、全力を尽くしてまいります。

 また、業務効率化による生産性の向上、そして将来を担う人材の育成も、業界が持続的に成長する上で欠かせない課題です。旅行業が、働く皆さまをはじめとする数多くのステークホルダーにとって「魅力的な業界」であり続けるよう、行政や他団体とも連携しながら、一つ一つの課題に真摯(しんし)に向き合ってまいります。

 当協会は、本年も、47都道府県支部の強固なネットワークを最大限に生かし、全国津々浦々の観光事業者の皆さまに寄り添い続けます。そして、観光業界の「持続可能な成長」への貢献に、総力を挙げてまい進してまいりますので、本年も何卒ご指導・ご鞭撻(べんたつ)を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。


近藤会長

 
 
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