日本銀行は2025年最終営業日の12月30日、紙幣(日銀券)発行高を公表し、24年末に比べて3兆4718億円(2.8%)減の120兆6060億円だったことを明らかにした。前年末の発行高を割るのは3年連続。減り幅は拡大し、ピークをつけた22年末(125兆683億円)比では4兆円超減少した。
発行枚数・額の多い最高額面紙幣(1万円札)の減少が目立つ。家計のキャッシュレス化の進展に加え、本格的な「金利ある世界」に入ったことが要因とみられる。
日銀の段階的利上げを受け、金融機関が取り扱う預貯金金利が上昇。手元に置くタンス預金などを預貯金に振り向ける動きが広がる。【記事提供:ニッキン】
足元の物価・人件費高が経営の重しとなる金融機関側の事情も大きい。現金のハンドリング(取り扱い)コストは無視できず、金融機関に戻ってきた紙幣を払い出しなどで再び用いる「繰り回し利用」を増やしたり、ATM網を見直す動きが加速。現金管理の効率化を進める先が相次ぐ。
高額商品・サービス決済の〝非現金化〟も発行高を押し下げる。新型コロナ禍を経て、対面販売・購入からEC(電子商取引)へのシフトが進み、大型家電や旅行代金といった従来は現金決済が多かった分野でも電子決済が浸透。現金ニーズが構造的に減少する。
日銀は同時に、銀行券発行高に占める新銀行券(2024年7月発行)比率も明らかにした。発行から1年半での切り替わりは42.8%(25年12月30日時点)にとどまり、前回の改刷(2004年11月発行)時の70%からは、約30ポイント低い流通状況となっている。

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