箱根登山電車に新型車両、2028年度に導入へ 最古参「100形」の後継 展望座席やラゲッジスペース確保


「4000形」の外観イメージ

「4000形」の外観イメージ

初の流線形デザイン、内装に寄木細工

 小田急箱根(神奈川県小田原市)は12月23日、箱根登山電車に14年ぶりとなる新型車両「4000形」を2028年度に導入すると発表した。同年1月で運行を終了する最古参車両「100形」の後継。「心躍る時間(とき)を提供する」を開発コンセプトに、世界に誇る観光地・箱根の自然を感じながら、ゆとりある旅を楽しめる車両を目指す。

 列車は3両固定編成。ステンレス製車体を採用し、ライフサイクル全体での環境負荷低減に寄与する。

 外観は、箱根登山電車として初の流面形デザインを採用し、スタイリッシュで親しみやすいフォルムとした。車体カラーはスイスの姉妹鉄道「レーティッシュ鉄道」のイメージである赤を基調に、メインカラーには同社オリジナルカラーの「バーミリオンはこね」を採用。シルバーのラインカラーは、箱根湯本を起点に箱根を巡る“循環”の旅をイメージし、地域と列車の調和を表現した。

「4000形」の外観イメージ
「4000形」の外観イメージ

 室内デザインは、沿線の自然や四季折々の景色を存分に楽しめるよう、大型窓を配置。一部、窓に向けて角度を付けた座席を採用した。先頭車両は前方の景観を楽しむ展望車とし、中間車両は大きいロングシート席などを配置。ボックスシートは片側座席を1列とし、混雑時の快適性を追求した。車いすなどの専用スペースに加え、大型の手荷物も収納できるラゲッジスペースを初導入した。内装には箱根の伝統工芸「寄木細工」のデザインを内装に取り入れ、車窓と一体的に華やかな空間を演出する。

「4000形」の内装イメージ

「4000形」の内装イメージ
「4000形」の内装イメージ

 同社は2025年10月、現役車両で最古参の100形(モハ1形・モハ2形)の運行を2028年1月で終了すると発表。100形は1919年の箱根湯本―強羅間開業時に「チキ1形」として登場した車両で、100年以上にわたり箱根山岳エリアの輸送で活躍した。

 
 
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