外観。和モダンの雰囲気が印象的だ
草津、伊香保とともに群馬の3名湯の一つといわれる四万。その中にあって、和モダンな雰囲気が女性客や外国人客から人気を集めている。
「お客さまとスタッフの距離が近いのが特徴」と社長の柏原益夫さん。施設や料理もさることながら、平均年齢が20代という若い接客スタッフによる親身なおもてなしが同館のセールスポイントの一つ。バックヤードのDX化を進め、蓄積された顧客データを活用。「お客さま一人一人に寄り添った接客を心掛けている」(同)という。
外国人客の比率が20%と、温泉地全体の3~5%に比べて高い。ネット検索で選ばれるよう、さまざまな工夫を凝らしているという。外国人スタッフもアジア、欧米など、さまざまな国や地域の出身者がそろう。
14室の客室は露天風呂付きや足湯テラス付きなどさまざまなタイプがあるが、昨今増えている「おひとりさま」向けに二つのシングル和室を備えている。「この部屋指定でリピートされるお客さまが結構いらっしゃる。繁忙期でも1人で泊まれる温泉旅館は少なく、当館のセールスポイントとなっている」(同)。
「美肌効果に加え、湯冷めしにくく、これからの季節におすすめ」という温泉を満喫できるのは男女別の大浴場に加え、三つの貸し切り露天風呂。追加料金や予約不要で、空いていれば自由に使えるのがうれしい。
地元四万出身の料理長が手掛ける料理は群馬の名産上州牛をメインに、地元の新鮮野菜を素材にしたコースや、アクセントに地元の“粉文化”を反映させたうどんやすいとんも。インバウンドを意識してヴィーガンコースも用意しているが、日本人の利用も意外に多いという。「唎酒師(ききさけし)」の資格を持つスタッフによる料理と日本酒のペアリングコースも好評。朝食は館内のほか、系列の飲食店「柏屋カフェ」「シマテラス」でも味わえる。
温泉街に客室2室の新しい宿を建設中。「旅館でもホテルでも民泊でもない」斬新なスタイルで、来年夏のオープンを目指している。
【1泊2食の標準価格2万4千円(税込み)】

外観。和モダンの雰囲気が印象的だ




