【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 781】官民連携で拓く旅館・ホテルの未来(4) 青木康弘


 前回までのコラムでは、官民連携の背景や制度の仕組み、代表的な成功事例を見てきた。ここまで読み進めて、「いつかは官民連携ビジネスに挑戦してみたいが、どこから動けばよいのか分からない」と感じている経営者は少なくないだろう。実際、案件公募から採択、開業に至るまでの道のりは長く、行政との信頼づくりを抜きにした近道は存在しない。今回コラムでは、宿泊業が官民連携に参入する際の第一歩として、準備と関係づくりのステップを整理してみたい。

 最初の一歩は、案件探しよりも前に「行政の方向性をつかむ」ことだ。自治体の総合計画や観光基本計画、公共施設マネジメント計画、都市公園や文化財の方針などに目を通し、施設再生や公有地活用、民間活力、観光拠点づくりといった言葉を探していく。議会の会議録や予算書に、導入可能性調査や経済波及効果の検討が盛り込まれていれば、数年以内に案件化される可能性は高い。補助金の活用方針や未利用公有地の整理方針も、官民連携が動き出す前兆として注目しておきたい。日頃から自治体の考え方や温度感を読み取っておくことが、次の一手につながる。

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