ホテルの将来性探る 運営会社トップ4氏が討論 大阪で「ホテレスエキスポ」


セッション1のパネル討論に参加した(右から)北原、松山、坪根、䕃山、義田の各氏

 月刊ホテレスが主催するホテル業界セミナー&展示会「ホテレスエキスポ関西2025」が3日、大阪市のウォルドーフ・アストリア大阪で開催された。「観光立国に向けたホテル市場の再構築と未来志向のアプローチ」をテーマに、関西エリアをリードするキーパーソンのパネル討論などが行われた。

 セミナーはホテル運営会社トップによるセッションで始まった。ロイヤルホテル取締役会長の蔭山秀一、ジェイアール西日本ホテル開発社長の坪根英慈、温故知新代表取締役の松山知樹、更紗ホテルズ取締役統括本部長の北原信輔の各氏が「国内ホテルオペレーターの現在地と未来」について語った。モデレーターは月刊ホテレス編集長の義田真平氏。

 ホテルの現状について、蔭山氏は宿泊や宴会、レストラン、アーケードなど幅広い分野を持ち、「もうからないが撤退できない」というグランドホテルならではの悩みを脱却するため、「自前で不動産を持つことを諦め、宿泊特化へビジネスモデルを転換している」と話した。

 五つのブランドで、13ホテル・4400室を展開しているジェイアール西日本ホテル開発。坪根氏は「人手不足や工事費値上がりの時世にあって、ポートフォリオを広げながら強みをしっかり作っていくステージにある」と分析。

 松山氏は「実現できるかどうか不明だが、年間5軒ずつ増やしていく計画。いま目指しているのはファン作り。選ばれるホテルとして、日本や世界から指名買いしてもらえるようなブランドに取り組んでいる」。

 「大阪市内で4ホテル・計667室の宿泊主体型のホテルを展開している」と北原氏。大きな市場(ブルーオーシャン)を目指すのではなく、まず小さな市場で成功を収め、そこから拡大していくアプローチ、いわゆる「ブルーポンド戦略」によるセールス展開をしているとした。

 それぞれの価値については、ロイヤルホテルは「迎賓の心と総合力、地域とともに歩む『おもてなしの殿堂』」、ジェイアール西日本ホテル開発は「安全安心+心を動かす、食と地域のつながり+人財」、温故知新は「地域の物語を紡ぐ宿、デスティネーションとしての『唯一無二の体験』」、更紗ホテルズは「効率と品質の両立、誰もが使いやすい『洗練されたシンプルさ』」を挙げた。

 このほか、アフター万博の関西マーケット・外資系ホテルの競争戦略、ポスト万博のホテル戦略などセッションは6に及んだ。

 会場には20を超える協賛企業のブースが展示され、最新の技術やサービスを提供した。


セッション1のパネル討論に参加した(右から)北原、松山、坪根、䕃山、義田の各氏

 
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒