青木氏
よみがえりの温泉郷
~温泉の聖地和歌山をPR
508の源泉があり、この数は関西・中四国を入れて最も多い数を持ちながら、和歌山=温泉というイメージがないまま進んできた和歌山観光。
山の温泉、川の温泉、海の温泉がありながら、国内外に温泉をアピールしないのはもったいないと2020年に立ち上げたのが、わかやま12湯推進協議会です。
和歌山県旅行業協会と和歌山県旅館ホテル生活衛生同業組合の有志が運営委員となって、21年に龍神温泉で開いた第1回サミットを皮切りに、22年の第2回サミットは南紀勝浦温泉、23年の第3回サミットは白浜温泉で開催し、それぞれ開催温泉地の歴史や文化を背景に地域が一丸となって温泉振興に取り組むことを宣言し、採択してきました。
24年の第4回サミットでは、日本最古の温泉で世界遺産に登録されている湯の峰温泉をはじめ川湯温泉、渡瀬温泉という三つの個性ある温泉で構成される「熊野本宮温泉郷」を抱える熊野地域で開催しました。
太古から神々が鎮まる神聖な場所として人々をひきつけてきた熊野は、険しい参道を歩き神々の棲む山を詣で、温泉に浸かって穢(けが)れを落とし新しい自分に生まれ変わることから「蘇りの地」と呼ばれています。その中心に座す熊野本宮大社には12柱の「熊野十二所権現」が祀(まつ)られています。
当協議会では「熊野十二所権現」にあやかり、12湯の個性ある温泉がそれぞれ国内外から訪れる人たちを蘇らせ、元気にする温泉地であることを確認、発信する場所として捉え、サミットで「よみがえりの温泉郷~温泉の聖地・和歌山」を宣言しました。これ以降、わかやま12湯のメインフレーズに位置付けました。
また第4回サミット開催のご縁で、熊野本宮大社の九鬼家隆宮司からご提案いただき、今年から毎年4月、12温泉より持ち寄った湯を奉納する「献湯祭」を年中行事として実施させていただくことになりました。
和歌山県からのご協力をいただき、昨年から12湯加盟施設に入浴し、御湯印(おゆいん)を集めて満願(コンプリート)を目指す巡湯帳(じゅんとうちょう)の取り組みも始めました。1年たって御湯印30種類を達成された方が3人も出ました。そのうちの1人はロシアの方でした。
当会を立ち上げて5年。いよいよわかやま12湯も国際的になってきたのかという思いを持ちつつ、これからも和歌山県の行政関係の方々からのご支援をいただきながら、和歌山の温泉のPRに努めていきたいと思います。

青木氏




