【データ】アジア:欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査2025年度版 地方訪問意欲高く、各地に可能性 日本政策投資銀行・日本交通公社 調査委


高付加価値旅行者層は追加支払いにも前向き

 株式会社日本政策投資銀行(DBJ)と公益財団法人日本交通公社(JTBF)はこのほど共同で、調査レポート「訪日外国人旅行者の意向調査2025年度版」を公表した。これによるとアジア、欧米豪ともに海外旅行先としての日本の人気は高く、地方訪問意向も高いことが分かった。また、実施したい活動はあってもその多くが実施場所未定で、両者は「どの地域にも誘客の余地がある」と分析する。高付加価値旅行者層の意向や行動についても調査。同層が訪日旅行に自己実現と本物の体験を求めることや、体験の質の向上や観光地の地域保全のために追加支払いをする意向が高いことも分かった。

 調査は2012年から毎年行っているもの。アジア、欧米豪の12の国・地域に居住する20~79歳の海外旅行経験者を対象に、25年7月にインターネットで実施した。回答数は7413人。

 アジア居住者、欧米豪居住者ともに「次に観光旅行したい国・地域」は、日本がトップだった。訪日経験者の再訪意向も、アジアで68%、欧米豪で48%と高い割合を示した。日本の地方部への訪問については、東アジア、東南アジアでは訪日回数が増えるのに伴い、地方訪問意向、地方訪問経験がともに増加。一方で欧米豪の場合、地方訪問意向は訪日経験に比例して増加するものの、地方訪問経験についてはばらつきが見られた。

 地方観光で体験したいことは「その土地の郷土料理を食べる」(51%)、「自然観光地を訪れる」(48%)、「温泉を楽しむ」(47%)が上位に。欧米豪はアジアに比して「地方のどこで体験するか」具体的な場所を決めていない割合が、全ての項目で有意に高く、「個々の地方の魅力や情報が十分に浸透していない可能性があり、どの地方にも誘客の余地があるとも考えられる」と両者。

 訪日旅行での消費額が100万円以上の層「高付加価値旅行者層」についても調査。これによると同層は、自己実現と本物の体験を求める割合が68%で、消費額100万円以下の層に比べて16ポイント高かった。高付加価値旅行者層は訪日時の体験活動に対する追加支払い意向も高く、73%が追加料金を払っても、特別で質の高い体験をしたいと回答。サステナブルな取り組みについても87%が観光地維持への金銭負担に賛成しており、両者は「旅先の環境や文化保全への貢献意思が明確」と指摘する。

 
 
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