ヤマタネの河原田岩夫社長(左)と、KCFの村田悟社長
商品力強化で訪日需要創出
KNT―CTホールディングス(HD)はこのほど、主要食糧の輸出入・販売などを手掛けるヤマタネ(東京都江東区)と資本業務提携を締結した。米国・ロサンゼルスのおにぎり専門店「ONIGIRI SUN」を運営する同社連結子会社・KNT―CT Foods(U.S.A)’LLC(以下、KCF)に対し、初の日本米海外輸出を図るヤマタネが出資。より高品質な日本米の仕入れが可能になり、新メニューの開発・販売で連携する。2026年春にはロサンゼルスに2号店を開業予定で、日本食材の魅力発信を通じた国内生産者への貢献・地域活性化支援や、訪日旅行の意欲向上を目指す。
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今年で創立70周年を迎えたKNT―CTHDは、「未来創造事業」の一環で、日本米などの食材の魅力を海外へ発信し、地域活性化の支援と訪日旅行の意欲向上を目指す「コメ・イノベーション事業」を展開している。2023年8月にはロサンゼルスでONIGIRI SUNの1号店をオープンし、今年4月には事業の拡大を図るべくKCFを設立。日本の自治体、関係団体などと連携した地産食材の海外プロモーションも展開し、アグリツーリズムの促進を目指している。
一方、1924年創業のヤマタネは「地域コミュニティおよび生産地と農業の発展」を掲げており、近年は新たな挑戦として「市場性の高いコメの取り扱い拡大・販売先拡大」に取り組んでいる。
今回両社は、米を通じた地域貢献・海外挑戦に共感し、シナジー効果が期待できることから提携。今後はヤマタネの調達力やブランドを活用し、有機米や玄米などを使った高品質な商品開発や店舗づくりなどで連携する。引き続き、アグリツーリズム事業の促進、ONIGIRI SUNの事業拡大を図る。
来年春には、同店舗の2号店をロサンゼルスのダウンタウンにある商業複合オフィスビルに出店。オフィスワーカーや周辺住民などをターゲットに、健康志向のニーズにマッチしたヘルシーな食事として提供する。新店舗では、おにぎり販売を通じて日本米・地域食材をPRするほか、店頭販売以外にもフードデリバリーやイベント出店などにも注力し、同事業の戦略旗艦店としていく方針としている。

ヤマタネの河原田岩夫社長(左)と、KCFの村田悟社長




