東日本大震災から14年余り。浜通りは、地震・津波・原発事故を経て、ようやく企業誘致や新産業創出による経済再生のフェーズへと歩みを進めている。その中で注目されているのが、交流人口の拡大による域外需要の獲得だ。だが、この地域はもともと観光資源に恵まれていない。常磐炭田から原発、火力、水力と、エネルギーをつくることで“東京を陰で支える地域”であり、観光地としてのイメージは薄い。
しかし、福島第一原発(イチエフ)は、少しずつ開かれようとしている。そして南海トラフなどの新たな自然災害への関心も高まる一方だ。そんな今だからこそ、イチエフを軸に浜通り全体を“学びのフィールド”と捉えるプログラム「FUKUSHIMA Today」を立ち上げた。
この地域には、中間貯蔵施設、原子力災害伝承館、震災遺構の請戸小学校、とみおかアーカイブミュージアムなど、多様な学びの拠点が存在している。被災者である住民の語り部や元行政職員が当時の経験をもとに「避難所ワークショップ」などを展開。復興を後押しする新たな企業も域外から次々に進出している。現場には、風化させまいとする人々の志と、確かな希望が息づいている。
FUKUSHIMA Todayの役割は、こうした学びの資源を結び、防災・減災、BCP、まちづくり、エネルギー政策といったテーマに合わせてプログラム化することだ。付加価値の高い学びを提供し、その対価が地元の宿泊・交通・飲食・語り部などの事業者に還元される。持続可能な地域の循環、すなわち“学びのエコシステム”を築くことを目指している。
観光の語源は「国の光を観る」といわれる。災害と共に歩み、未来に向けて再生を続ける浜通りこそ、まさにその“光”を放つ場所だと感じる。
この理念に共感し、共に学びと観光をデザインしてくれる仲間を求めている。視察研修の企画や連携、そして参加に関心のある方は、ぜひ株式会社クレイジーキルトにお問い合わせいただきたい。
FUKUSHIMA Today(イチエフ視察研修)
https://shisaly.com/plan/4939
(株式会社クレイジーキルト代表取締役 佐伯克己)
saeki@crazyquilt.jp




